「ロビンちゃん」
『作品内容』
船乗りのお兄さんが行方不明になってしまっているルリちゃんは,ヒルマン男爵の屋敷に下男たち(ラムネ,カルピス)と住んでいました。
この男爵はルリちゃんの声がつぶれるまで歌を歌わせていました。
ある日,ロビンと名乗る大金持ちが男爵の家にいるというフレーネ姫を探して訪ねてきました。
ロビンは箱いっぱいの真珠を見せましたが,強欲な男爵はうんとは言いません。
彼はルリのお兄さんを探すために屋敷から連れ出します。
ロビンの船は不思議なことにこぎ手も何もいないのに動いていました。
食事は海で取れるものばかりでした。
さらにロビンはルリに決して部屋に来てはいけないと話しました。
ある時,オオダコにルリがさらわれてしまいます。
海に飛び込んでロビンがルリを救い出します。
ロビンはルリに恋をしてしまいました。
船はボアー船長の海賊船に襲われ,二人は囚われの身になってしまいます。
しかし,そこでルリは海賊の手下として働く兄(力有武)と再会します。
ロビンを倒せばルリを返してくれるという船長の言葉に従って,兄はロビンと剣で対決します。
ロビンはわざとやられたふりをして海に落ちました。
不思議な力で船中の人間の目を回してしまったロビンは,ルリちゃんとお兄さんを助け出します。
ロビンを海の人間であると見抜いたお兄さんはルリちゃんをあきらめるように諭しました。
屋敷に戻った三人を見た男爵はすごすごとどこかに行ってしまいました。
ロビンは熱帯魚として飼われていたフレーネ姫を連れて屋敷を出て行きました。
去り行く船を見下ろしてルリはいつまでも立っていました。
<参考文献:カラー秘蔵作品集>
『図版使用書籍』
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)