鉄腕アトム
第22話「幽霊製造機」
『作品内容』
ゴルゴニア連邦の独裁者ヒトーリンは自分の政権を長続きさせるために自分の影を実体化させようとしていた。
そのためにお茶の水博士の友人であるパブロス博士は「幽霊製造機」の製作を続けていた。
しかし彼はヒトーリンの不興を買ってしまい,代わりにお茶の水博士を呼ぶように言われる。
博士は研究を手伝って欲しい旨書かれた手紙を受け取るが,アトムはあぶり出しを見付けそこには来てはいけないと書かれていたのだった。
いくべきかいかざるべきか迷う博士だったが,ゴルゴニアのロボットカーが迎えに来て強引に連れ去ってしまうのだった。
それを知ったアトムは父・母に止められながらもロボット法を犯し国境を越える。
ゴルゴニアに着いたアトムはそこでプラチナというゴルゴニア最高のロボットと出会う。
彼は仲間と共にヒトーリンに反抗を続けていた。
この時も敵が攻めて来,彼はアトムにロンロン山のブラムウスを訪ねるように言って戦いに出掛けていく。
その頃お茶の水博士はパブロスに出会い研究についての話を聞いていた。
そこへプラチナが捕らえられて幽霊製造機の実験に使われるところだったが,博士はプラチナを助ける。
彼の生みの親はパブロス博士だったのだ。
アトムはブラムウスに会うが,彼の体はなぜか透けて見えていた。
そしてアトムに忍び込む算段を話す。
一方お茶の水博士とパブロスは幽霊製造機を完成させていた。
パブロスはお茶の水博士にもうこの国からは出られない,といってそれを書いた手紙を渡す。
怒り心頭に発する博士だったが手紙を見て驚く。
言論統制の利いているこの国では口ではそのように言うしかなかったのだ。
手紙の中にはプラチナのなおし方と逃げ方が記されていた。
パブロスはヒトーリンの幽霊をつくろうとするが,側近の裏切りによりヒトーリンは命を落とし,パブロスも撃たれてしまう。
プラチナはお茶の水博士を助けるために破壊され,そこにアトムが現れる。
アトムはお茶の水博士をブラムウスの元に連れて行く。
彼は何とパブロスの影だった。
パブロスはとっくに幽霊製造機を完成させていたのだ。
<参考文献:講談社豪華愛蔵版>
『映像化』
鉄腕アトム-第8話「幽霊製造機」-
(1963年:虫プロ制作・テレビアニメ)
『図版使用書籍』
手塚治虫展図録(1990年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
鉄腕アトムコンプリートブック(2003年)
図説鉄腕アトム(2003年)
描きかえられた「鉄腕アトム」(2008年)
東京人 2008年12月号(2008年)
「地上最大の手塚治虫」展(2012年)