「ながい窟(あな)」
『作品内容』
帰化朝鮮人である趙は森山尚平と名乗って長浜軽金属の専務となっていた。
素性を公にしたがらない森山だったが,大村収容所から脱走した除という若者を預かることになってしまった。
母親を探す除は森山の娘の亜沙子と恋に落ちる。
二人は事故により命を落とすが,森山は亜沙子を自分の娘であると人前でいうことが出来なかった。
そんな父親の姿を見た息子の久は自ら朝鮮人学校へ通い出す。
帰りがけにリンチにあい,重症になった息子のことさえも森山は自分の息子であるとは言わない。
リンチを加えた少年の通っている高校へ抗議に出かけた森山はあまりに失礼な校長の前で
自分が朝鮮人であることを声高に叫ぶのだった。
手塚先生(p.131)出演。
<参考文献:サンミリオンコミックス>
『一口メモ』
朝鮮人問題を扱っているためか、単行本に再録されたことは1回しかない。
『図版使用書籍』
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫大全(1997年)