「あらしの妖精」
『作品内容』
鍬形城の奥方は夫を助けるならば自分の子供の顔を与えると妖精の老婆と約束をしてしまう。
ひよどりとの戦で苦戦していた鍬形であったが和平が成立する。
それから1年後、夫妻には女の子が産まれるが、あまりの醜さにお面をして過ごしていた。
森に住む妖精のはこべは本来姫が持つべき美しさを備えていて、母から悪いことを教えられていたが、その生来の優しさからとても出来ることではなかった。
その頃お城では家老の田亀源五郎(ヘック・ベン)が自分の娘にお面をかぶせて姫に仕立てて本物の姫をお城から追い出していた。
さらに城主夫妻にも毒を持って山の温泉へ療養にやらせてしまう。
本物の姫はお面を取られていたために顔を頭巾で隠してさまようが、浪人の藤之介に拾われ何とか雨露を凌ぐ。
お城で傍若無人に振る舞う田亀と姫に成りすました娘のあけび。
娘を腰元に取られようとしていた娘の代わりにお城へあがるはこべ。
彼女はそこで田亀等の陰謀を知り、姫を何とかして助けようと奮戦する。
始めは話を信じていなかった藤之介だったが、温泉で命を狙われた城主らの姿を見て、ルリが本当の姫だということを知る。
お忍びで城に帰ってきた父らと再会を果たした姫だったが、田亀は既に陰謀を進めていて城中が敵だった。
その時城に向かってくる大軍勢がいた。
実は藤之介は隣国の城主の次男であったがお城暮らしがいやで浪人をしていたのだ。
その彼の命によって城主親子を助けるために軍を発したのだった。
さらにその時お面を取ったルリ姫の顔は美しく変わっていた。
はこべが自分の顔を姫にかえしたのだ。
もう川に顔を映すことも出来ないと嘆くはこべだったが、神様がそんな彼女の優しさに免じて顔を元に戻してあげるのだった。
町人で花丸博士が、
漫画家で手塚先生が出演(p.36)。
<参考文献:講談社全集>
『図版使用書籍』
別冊奇想天外8 SFマンガ大全集(1979年)
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
手塚治虫美女画集(2014年)
僕らが愛した手塚治虫<復活編>(2016年)
サンエイムック「どろろ」「三つ目がとおる」大解剖(2019年)
手塚治虫語辞典(2023年)