ライオンブックスシリーズ
「くろい宇宙線」
『作品内容』
ちょっと近未来のお話。
ボン太郎が街を歩いていると突然「殺される」と叫び死んでしまう人がいた。
この男には外傷も無く毒物も検出されなかった。
ボン太郎は帰り道でこの殺人事件を取材しようとした甘栗と渋皮(ラムネ,カルピス)がダブルの背広を着た男と話しているのを見る。
その男は殺人事件の時近くにいた男だった。
彼は記者が取った写真をカメラごと奪おうとしていた。
ボン太郎は手にしていたおもちゃの銃を向けて男を追い払う。
死んだ男からは放射線が検出され、下田警部はこれを黒い放射線事件と名づけた。
カメラのフィルムからも放射線状のものが見られた。
ボン太郎は火星から帰ったドリアン博士の講演を聞きに行く。
そこには叔父の宇菜月もいた。
講演が終わると事件と同じように一人の男が死んでいた。
これらの事件に対し、ボン太郎は叔父をそして記者達は下田警部を疑っていた。
博士と叔父は実は30年来の友人であった。
しかし、見た目は親子ほども違って見える。
彼らはお互いに若い頃生命の不思議について研究していた。
ある時彼らは倫理に触れるとして罪に問われた。
その際博士は持論を通し、叔父は曲げてしまった。
博士は罰として火星に送られた。
そしてそこである宇宙線を浴び、年を取らなくなったのだ。
だが地球に帰ってきてからはその宇宙線を浴びることができない。
博士はほかの人間の生命エネルギーを吸うしかなかった。
宇菜月もその犠牲になってしまう。
ボン太郎は叔父の仇として博士を追い、今度は本物の銃で彼を消し去るのだった。
編集長でノールス・ヌケトールが、
編集部員でノンキメガネが、
ダンスホールの客でアフィルが(p.80)それぞれ出演している。
<参考文献:講談社全集>
『図版使用書籍』
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
コミックボックス5月号(1989年)
わたしの手塚治虫体験(一)(1990年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫論(1992年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
手塚治虫の奇妙な資料(2002年)
僕らが愛した手塚治虫<復活編>(2016年)
手塚治虫表紙絵集(2016年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)