「ふたりでリンゲル・ロックを」
『作品内容』
時は1989年、人は誰もが自分の行動をマイコンで決めていた。
世田ノ介は町外れに済むイブと付き合っていたが、父親からマイコンでの予測が最悪なので別れろ、と言われていた。
また、学校ではクラスメートの足塚がマイコンの予測で「1999年イブは世界を手に入れる」という結果を出していた。
傷つくイブは自殺をも図るが世田ノ介が阻止する。
「ぼくがついいてるさ!!」と。
時は流れ1999年、世田ノ介はある三流医大の研究室に籍を置いていた。
やる気の無い彼はサボっているところを教授(越前ガニ)に呼び出される。
スペースラブ「リンゲルロック」に搭乗してくれ、とセンターから要請があったのだ。
驚く彼はとにかく出掛けていき、断ろうとする。
しかし、もう一人のパイロットからの強い推薦によるものだった。
そのパイロットとはあのイブであった。
二人で宇宙に出たが、世田ノ介はロケットの中の籠が気になる。
イブに問いただすと宇宙人を入れると言う。
世田ノ介は10年前の予言の話を出すと、イブからこんな答えが出る。
つまり、「世界」は「世田ノ介」を縦に表示してしまったものだと言う。
この年イブは世田ノ介を手に入れる。
そして10ヶ月後、ロケットの中では宇宙人が生れた。
<参考文献:講談社全集>
『一口メモ』
ロケットの中で生れる子供を宇宙人である、と言う考え方は既にこの作品中で出されている。
「ガラスの地球を救え」の中で示されたこの表現に感銘を受けていたが、読みが足りなかった(^^;)。
『図版使用書籍』
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫マンガ大全(1997年)
手塚治虫講演集「未来への遺言」(2003年)
扉絵原画コレクション1971-1989(2018年)