「大洪水時代」
『作品内容』
海老原鯛二は精神に異常を来たして病院に入っていた。
というのも彼は兄の鮫男(メイスン)が関係する濃縮ウランに関する設計図を使えなくしようとした事があった。
彼は母親と供に裁判にかけられてしまう。
自分の地位が惜しい父親の蛸蔵(ジュラルミン)は医師(ヒゲオヤジ)に頼み二人に軽い毒を盛る。
二人は無罪になるが、母親はしばらくして死に、鯛二はいまだに病院に入っていた。
彼を頻繁に見舞いに行っていたのが親友の浦島だった。
ある時鮫男は急に呼び出される。
そこには軍の関係者(フランケン・シュタイン、お茶の水博士、シャーロック・ホーム
ズ等)が集まっており、原子力要塞が爆発を起こし、2日後には津波が来るという話がされた。
何も知らない浦島と蛸蔵は供に鯛二を見舞う。
そこへ現れたのがあのときの医師と供に脱獄してきた二人の男(ランプ、ニッコリ・スミス)だった。
彼らは浦島等を監禁し、外の騒ぎも知らずに時を過ごす。
そして気付いたときには街はもぬけの殻と化していた。
ようやく事態を飲み込んだ彼らは病院の屋上に逃げる。
そこへ鮫男が助けに来るが脱獄囚にヘリコプターを取られてしまう。
鯛二は箱船をつくろうと提案する。
しかし、それを水面に置くには独りが犠牲にならねばならなかった。
くじで外れたのは皮肉にも鯛二だった。
それを殴り付けて一人残る鮫男。
軍に関係していた彼は彼なりに責任をかんじていたのだった。
鯛二の落書きでヒョウタンツギ(p.51)、医師でクッター、ノールス・ヌケトール、ヨッツン(p.58)、その他ロック、レッド公(p.90)が出演。
<参考文献:角川文庫>
『図版使用書籍』
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
手塚治虫 マンガの魅力(1979年)
手塚治虫全百科(1981年)
コミックトム4月号(1989年)
コミックボックス5月号(1989年)
わたしの手塚治虫体験(一)(1990年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
「来るべき世界」構想ノート(1994年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
コミック・ゴン 第3号(1998年)
文藝別冊 手塚治虫(1999年)
手塚治虫記念館(第5刷)(2003年)
手塚治虫表紙絵集(2016年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)