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「ガラスの城の記録」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1970年01月22日号
〜04月23日号
- 現代コミック 秋田書店 未確認 連載 -
1972年12月22日号
〜1973年02月23日号
- COMコミック 虫プロ商事 B5判 連載 -
1976年10月30日 秋田漫画文庫 ガラスの城の記録 秋田書店 文庫判 - -
1993年08月17日 手塚治虫漫画全集322巻 ガラスの城の記録 講談社 B6判 -
1994年07月 秋田文庫 ガラスの城の記録 秋田書店 文庫判 -
2010年07月 手塚治虫文庫全集077 ガラスの城の記録 講談社 文庫判 -
2019年08月24日 - ボンバ![手塚治虫ダーク・アンソロジー] 立東舎 B5判 -

『作品内容』
<ガラス屋敷の人々>
通称「ガラス屋敷」と呼ばれる札貫礼蔵の家の地下には冷凍睡眠で眠る数多くの人がいた。 彼らは礼蔵の家族達であり、その管理は息子の四郎が行っていた。 そして今彼はその管理を代わってもらおうと兄の一郎を起こそうとしていた。

20年の歳月は彼らの風貌を全く逆転させてしまった。 眠っていた一郎はまだ若者の姿だったが、四郎はもう42歳になっていた。 さらに彼には真理という名の娘がいた。 彼女の母親は冷凍睡眠装置の故障によって帰らぬ人となっていた。

一郎は姪の真理と関係を持ってしまい、さらに間違って弟の五郎を殺してしまう。 元々一郎は冷凍睡眠などには反対の立場を取っており、眠る父親をその復讐として殺害する。 五郎殺人について警察が屋敷に入り込んだとき彼は真理を連れて逃亡するのだった。


<二千年眠った女>
一郎は旧友の笹山を訪ねる。 そこで彼と同じく冷凍睡眠をしていた女を見せられる。 彼女はヒルンと名づけられていたがなんと2000年は眠っていたという。 その美しさに引き込まれ、一郎は彼女の教育係を引き受ける。

真理は一郎が何をしているのかも知らずに恐ろしくなってそっと逃げ出す。 床に転がるヒョウタンツギを蹴ったその音におびえながら…。 そしてガラス屋敷に帰り全員を起こすのだった。

しかし、礼蔵は既に死んでおり四郎は真相を知る真理を問いただす。 彼女は伯父と関係したことを認め、さらに彼を愛していることを打ち明ける。


<決闘>
一郎は何もかも知りすぎた四郎を殺してしまう。 そしてヒルンは一郎を想うあまりに真理を自分の入っていた棺の中に閉じ込めてしまう。 しかし、一郎は彼をずっと追っていた下田警部によって掴まるのだった。


<死刑囚二五三五号>
世には「殺人法」が出来ていた。 それは人間の殺戮本能を満足させる法律だった。 死刑囚はある特殊な香料を体に染み込まされ、刑務所の外に出される。 それを民衆の誰でもが殺してかまわないというのだ。

当然一郎もその運命にあり、外にでると銃を構えた多くの人々に迎えられる。 そこへ暴走トラックが飛び込んできて一郎を助ける。 ヒルンだった。 彼女は人を殺してそのトラックを奪っていた。 思わず笑いがこらえきれなくなる一郎。 追手を逃れるために列車の上に飛び降りた一郎は生まれながらの売春婦・ヒルンの体におぼれ始める。


<本日休業>
群衆が押し寄せるガラス屋敷。 しかし、一郎はそこには隠れていなかった。 屋敷の安全のために訪れた下田警部。 彼は同じく刑事の本日休業という男を置いていく。

彼は真理に懇願されて一郎の居場所へ連れて行く。 そこではヒルンが一郎の監視員を既に殺しており、今度は真理を狙っていた。 難を逃れる彼女だったが、ヒルンは消え一郎は本日に銃を向けていた。 そして本日の家にかくまうように要請するのだった。


<豚と闖入者>
本日の家にろう城を決め込んだ一郎の元にヒルンがやってくる。 彼女は真理に怪我を負わせて一郎に関係を迫る。 彼が気がついたとき家の周りは群衆によって囲まれていた。 しかし、彼はその悪知恵を働かせて殺人を重ねてしまう。


<毒をもって毒を制す>
群衆をすべて片付け、本日との一騎打ちの場面になって一機のヘリコプターがやってくる。 そこには外務大臣の市ヶ谷(ポーク・ストロノガノフ)が乗っていて一郎を連れ去っていく。 彼は一郎にいまだに冷凍睡眠をしているかつての首相等を殺害してくれれば国外に安全に逃がすと約束するのだった。 目指すガラスの城へ乗り込む一郎とヒルン。

<参考文献:講談社全集>

『一口メモ』
これまた完全に「未完」で終っている作品の一つです。 まぁ、雑誌の休刊によるものだから仕方ないんですが。
なんだか結構壮大な伏線が用意されていながら「チョン」と終ってしまうのは寂しいものです。

『図版使用書籍』
手塚治虫漫画40年(1984年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫論(1992年)
こころにアトム(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
ある日の手塚治虫(1999年)
手塚治虫マガジン2(2003年)
ダ・ヴィンチ2008年7月号(2008年)
手塚治虫美女画集(2014年)
扉絵原画コレクション1950-1970(2017年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
手塚治虫語辞典(2023年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)