「安達が原」
『ラジオドラマ化』
安達が原
(1979年:NHK-FM)
『映像化』
安達が原
(1991年:手塚プロ製作・自主制作アニメ)
『作品内容』
殺し屋として名高いユウケイはある星で魔女と噂されている老女を殺しに来た。
彼女は手料理を振る舞ってくれるがユウケイは用心のため毒消しを入れてそれを食べる。
ベッドに入り、静かになったところで彼は天井に穴を空ける。
思ったとおりそこには毒ガスを流すように配管がなされていた。
そして地下室には白骨が多数転がっていた。
老女が現われユウケイは殺すつもりはなかったと話す。
さらに死ぬ前に彼の身の上話を聞かせてくれと頼むのだった。
ユウケイことジェスは反体制分子として政府と戦っていた。
愛する恋人アンニーとのひとときの中、政府が乗り込んで来、彼を連れて行く。
死刑は廃止されており気楽に出掛けていくジェスであったが、彼を待っていたのは流刑星行きのロケットだった。
彼はロケットで30年間眠りつづけ、政府が転覆したとのニュースを受ける。
そこから30年かけて彼は地球へ戻ってきた。
20代大統領ダモクレス(ロンメル)はジェスに裏切り者の粛正を依頼する。
ジェスはアンニーのいたアパートを訪ねるが彼女は地球を逃げ出していた。
それからの彼はユウケイと名を変え大統領のための殺し屋になっていった。
老女は話す。
今の大統領がいかに無慈悲か、そしてアンニーもジェスと同じように政府と戦い、宇宙へ逃れ、一人ぼっちで恋人の便りを待っていた事を…。
彼女は生き延びるために自分を殺しに来た政府の犬を食らった。
そして恋人はやってきた。
政府の犬と成り下がって。
ユウケイはやっと気付く。
そしてなぜ料理を食べても分からなかったのか。
彼は毒消しを入れてしまい、味を変えてしまったのだ。
涙を流して彼はアンニーを消す。
そして台所で残った料理を口にするのだった。
アンニーの顔でヒョウタンツギが出演(p.38)。
<参考文献:講談社全集>
『一口メモ』
1991年にアニメ化された作品は坂口尚氏のアニメ作品での遺作となった。
『図版使用書籍』
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫まんが大研究(1982年)
手塚治虫の世界(1989年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
ROCKIN'ON JAPAN4月19日増刊号 SIGHT(2003年)
僕らの愛した手塚治虫2(2008年)
手塚治虫ぴあ(2016年)
サンエイムック「どろろ」「三つ目がとおる」大解剖(2019年)
pen+ 手塚治虫の仕事。(2020年)