「奇動館」
『作品内容』
中浜好太郎は奇動館の教師になるために江戸から下ってきた。
しかし、先生から試験を受けた結果逆に生徒となってしまう。
ここでは読み書きなどは一切無く、生徒一人一人が自分の学びたいことを学んでいた。
ある物は気象を、ある物はエレキをそれぞれ研究していた。
皆そろってやる授業の一つに裁縫があった。
好太郎も一緒になってあるでかい風呂敷き状のものを縫っていた。
ある日、先生がみんなを集めた。
そこには何と気球があった。
先生は気象に興味があるゴンタを一番に乗せて空から地上を見せてあげる。
降りてきた時、好太郎が告げる。
実は彼は幕府の隠密であり、怪しげな兵器を製造しているものを探りに来ていたのだ。
先生を逮捕するという。
先生はそれを受けるが、すべての生徒を乗せてあげるまで待ってほしいと言う。
そして最後に好太郎も気球に乗る。
先生はこれは兵器などではない、と主張するが好太郎はそれを受けるわけにはいかなかった。
降りる時、先生は火の操作を誤り、自らの命を落としてしまう。
好太郎は皆に言う。
「ふたつ目の気球をつくろう!」
と。
<参考文献:講談社全集>
『一口メモ』
手塚プロの自主制作シリーズで企画され絵コンテまでは作られたようだが中止となった。
『図版使用書籍』
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫マンガ大全(1997年)
扉絵原画コレクション1971-1989(2018年)
pen+ 手塚治虫の仕事。(2020年)