Google
WWW を検索 手塚治虫のすべてを検索



[1951年作品リストへ]

「サボテン君」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1951年04月号
〜1953年03月号(第一部)
- 少年画報 少年画報社 未確認 連載 -
1953年12月号
〜1954年12月号(第二部)
- 少年画報 少年画報社 未確認 連載 -
1958年12月10日 少年漫画傑作選集2巻 サボテン君 あかしや書房 A5判 - -
1971年08月05日 少年漫画劇場8巻 西部劇 筑摩書房 四六判 - -
1980年04月20日 手塚治虫漫画全集69巻 サボテン君 講談社 B6判 -
1999年06月01日 - 虫の採集箱4 パロマ舎 豆本 あかしや書房版の復刻 -
2004年10月10日 ちくま文庫 手塚治虫西部劇傑作集 筑摩書房 文庫判 -
2008年11月 あかしや書房傑作選シリーズ サボテン君 ポプラ社 A5判 あかしや書房版の復刻
2009年12月25日 手塚治虫オリジナル版復刻シリーズ サボテン君+怪傑シラノ 国書刊行会 A4判 雑誌復刻版
2010年12月 手塚治虫文庫全集102 サボテン君,レモンキッド 講談社 文庫判 -

『作品内容』
"第一部"
<第一回>
サムことサボテン君(ロック:第一回のみ)はミルクの大好きな少年。
父親の経営する酒場にミルクホールの看板を出して怒られてしまう。
選挙に出ようとする悪者のビルダールをやっつけるが,父親の酒場も壊してしまう。

<第二回>
ミルクホールへのお客は保安官のアッゴー
酒好きなのだが,駅馬車で公金を運ぶ役目のため仕方なくミルクを飲んでいるのだった。
その駅馬車には州会議に向かうコルクが娘といっしょに乗り込んでいた。
ところがその駅馬車の馬は悪者によって病馬と取り替えられていた。
馬車は強盗に狙われ,とらえれてしまう。
そこへ現われたのが野牛を連れてきてしまったサボテン君。
暴れ牛に引かれた馬車は無事に強盗から救われ,公金も守られたが,着いた先はまったく逆だった。

<第三回>
ミス・コルクを救った渡り者のビリイ。
お尋ね者と間違われるが,花いじりが好きな優しい若者だった。
お尋ね者はビリイの兄貴(ヘック・ベン)だった。
兄貴はビリイを捜してミルクホールに現われる。
ビリイは兄の盗んだ宝石をチューリップの下の隠したとサボテン君に告げる。
兄たちと決闘するビリイは約束のチューリップをミス・コルクに渡して息絶える。
ならず者たちはサボテンの銃の前にひれ伏す。
盗まれた宝石はサボテンによって保安官に渡される。

<第四回>
せっかく開通した鉄道。
しかし,自分の利権を奪われるのを恐れるビルダールによって線路を壊されてしまう。
その悪巧みを知ったサボテン君だったが,逆にとらわれてしまう。
そんなサボテン君もミルクを飲めば元気百倍で逆にやっつけてしまう。

<第五回>
世はゴールドラッシュ。
ミス・コルクが止めるのも聞かずサボテン君家族も隣村に出かけていく。
悪者に騙されたサボテン君は立ち入り現金の場所で砂金を探してつかまってしまう。
その悪者がうそをついて町の人をゴールド熱に借り出していたことを知ったサボテン君はミルクを飲んで,
悪者をやっつける。

<第六回>
競馬に娘のアリスを出場させるコルク。
しかし,見知らぬ男と牧場を賭けてしまう。
アリスの愛馬のファスティは自分の子馬がいなくなってしまい元気を失ってしまう。
子馬を探すサボテン君は別の野馬とその子馬を連れてきてしまう。
ファスティは寂しさを紛らわすようにその子馬をかわいがる。
そんな時競馬の賞金を預かる保安官が襲われ,その襲撃犯の疑いでサボテン君がとらえられてしまう。
サボテン君は銀行を襲撃して,コルクと賭けをしたドッコーイを犯人と突き止めて捕まえる。
アリスは野馬に乗って競馬に優勝する。

<第七回>
サボテンの父親のシャッドの兄であるケリガンが尋ねてくる。
ケリガンはサボテンが実はシャッドの息子ではなく,テネシーの大地主の息子であると明かす。
悪党だったシャッドは裏切り者(ハム・エッグ)の子どもと間違えてサボテンをさらったのだった。
ケリガンに誘われたサボテン君はテネシーに向かってしまう。
それを追うアリス。
駅馬車はインディアンに襲われてしまうが他の乗客(力有武十銭ハゲら)とサボテン君が力を合わせて蹴散らす。
そこで息を引き取る警備隊(ロンメル)の男はサボテンたちに武器密輸に関する報告書を託す。

<第八回>
野球を広めようとするアブナー・ダブルデーという退役軍人。
ところがルールを知らない人たちにかかれば野球も銃の撃ち合いも同じこと。
そこへ現われたサボテンを探すアリス。
結局みんなで仲良く留置場に入れられてしまう。

<第九回>
旅を続けるサボテン君とケリガン。
食料の尽きた二人は馬を殺そうとするが逆に馬に縛られてしまう。
そんな中で旅の行列を見つけた二人は何とか食料にありつくが,その馬車の中には武器が隠されていた。
ある夜,馬車はインディアンに襲われる。
旅の一行の中にインディアンと手を組んだ悪党が潜んでいたのだった。
しかしミルクを飲んだサボテン君は悪党を一網打尽にする。
作者で手塚先生が出演。

<第十回>
街に着いたサボテン君はケリガンから大事なものを預かってしまう。
色々な妨害にめげずにその袋を守り通したサボテン君だったが,それはただの弁当だった。

<第十一回>
サボテン君に間違われたミス・コルク。
ウエイン牧場では隣のフォード牧場に牛を盗まれて困っていた。
旅を続けるサボテン君はフォード牧場に雇われていた。
彼らはウエイン牧場に牛を盗まれて困っているという。
戦いの場で再会するコルクとサボテン君。
ケリガンはお互いの牧場の牛の仲がいいために行き来をしてお互いに盗まれていたと勘違いをしていた,と 突き止める。
パーティーの場から姿を消すサボテン君とケリガン。

<第十二回>
サボテン君を探すコルクはトランプ賭博に巻き込まれて有り金を持っていかれてしまう。
同じ町に来ていたサボテン君たちだったが,ケリガンもトランプ賭博ですってんてんになってしまう。
そこではシェリフ(ヘック・ベン)が実は武器密輸などに関わる悪党だった。
ミルクを飲んだサボテン君はシェリフを捕らえて,自分がしばらく町に残る決心をする。
壁の絵でヒョウタンツギが出演。

<第十三回>
ヘック・ベンがシャッドの仲間だったことを知っているサボテン君は色々と聞きだそうとする。
町を歩くとアリスが歩くのを見つけ,急いで床屋(ヒゲオヤジ)で変装をしようとする。
そこに現われたアリスはアリスで変装をする。
変装したサボテンはシェリフに見えず,悪党と間違われて牢獄に入れられてしまう。
そしてアリスは強い男と思われ,脱走したヘックを追うことになってしまう。

<第十四回>
アリスはインディアンと組んだヘックに捕まってしまう。
サボテンはうまくインディアンの呪い師に化けてもぐりこむことに成功する。

<第十五回>
結局アリスとともに捕まってしまったサボテン君。
そこでヘックから自分の父親の名前がコルクだと知らされる。
アリスとサボテン君は兄妹だったのだ。
チビ公の手伝いもあって,インディアンの下から凱旋するサボテン君。
アリスと町に帰るサボテン君。
身代金目当てだったケリガンはいまはただサボテンと分かれるのが辛く感じるのだった。

<第十六回>
サボテン君は武器密輸を捕まえたのお礼ということで衛兵隊に歓迎を受ける。
二人を接待するのはラムネとカルピス両二等兵。
そんな隊に届く家族からの手紙。
ジュニア一等兵の母親が尋ねてくることになっていたが,彼は次の朝出兵になっていた。
顔の似ているサボテン君は彼の身代わりを買って出る。
しかし母親は行進する隊の方に尋ねてきてしまう。
機転を利かせた隊長の配慮でサボテン君はジュニアの母親とともに砦へと戻る。
隊員でクッター出演。

<第十七回>
砦で夜の見張りをするサボテン君。
鼠に悩まされた彼は猫を連れてきて,安らかに眠る。
それからのことはすべて夢だと考えていたが,実は昔の大砲の弾に載ってインディアンの砦に飛んでいき, そこのヤング・ブルという酋長と捕まえてきていた。
隊員でノンキめがねが出演。

<第十八回>
インディアンの若者が病気にかかるが医師は直そうとはしない。
見かねたアリスが看護を買ってでる。
インディアンは集団で暴動を起こし,アリスはさらわれサボテンたちは討伐に向かう。
サボテンはインディアンの集団へ紛れ込み,あの若者の機転で無事なアリスと再会する。
隊はインディアンへの戦闘行動を開始するが,サボテン君はアリスとともに町へ戻っていく。

<第十九回>
町へ帰ってきた二人はコルク氏に本当のことを打ち明ける。
シャッドに話をしようとミルクホールに出向いたサボテン君はヘックにとらわれたシャッド夫妻に出会う。
脅されたサボテン君はアリスに本当のことを話すこともできない。
銀行強盗を働こうとするヘックはそれを捕まえる役をするようにサボテン君に強要する。
実はそれにかこつけてサボテン君の両腕を使えなくしようとするヘックのワナだったのだ。
カーテンの陰に隠れていたアリスはそのことを聞いてしまう。

<第二十回>
アリスもシャッド夫妻とともに捕まってしまう。
ヘックたちは予定通り馬車を襲いに行き,宝石箱を落としたサボテン君の両腕を銃で撃つことに成功する。
包帯に包まれた両手でミルクホールに現われるサボテン君。
ところがその後に包帯で両手を包んだヘックの部下が現われる。
ヘックが売ったのはサボテン君の手ではなく,自分の部下だったのだ。
大暴れしてシャッド夫妻とアリスを救い出すサボテン君。

<第二十一回>
晴れてコルク氏の息子となったサボテン君。
シャッド夫妻は町を出る決心をし,ビリイ・ザ・キッドの馬を盗んだビルダールからその馬を譲られ, それをサボテン君に送る。
そうとも知らずに馬のラッキーを可愛がるサボテン君はビリイから決闘を申し込まれる。
ビルダールの悪巧みを知ったビリイは彼をやっつけ,サボテン君と仲直りをするのだった。

<第二十二回>
町の助役は金に困ってメキシコ人から金を借りていた。
しかしそれも使い果たした彼は金欲しさにX夫人を町へおびき寄せていた。
夫人はサボテン君に助けられていたが,カメラに犯人の顔を移していたという。
カメラに夢中になっているサボテン君からカメラを奪おうとするが逆にやられてしまう。

<第二十三回>
作りかけの料理を見つけたサボテン君はそこにおいてあったミルクから自分の牧場のリルのミルクだと知る。
家に帰ってみると案の定,リルたち牛が50頭も盗まれていた。
リルを探すサボテン君はビルダール牧場の烙印を押されたリルの最後をみる。
その毛皮を自分の馬にかぶせて牧場に紛れ込む。
そして本当の犯人がビルダール本人だということを突き止めるのだった。

"第二部"
<第一回>
サボテン君の住む町の隣町では砂金がでたため,多くの無法者たちが集まってきていた。
そこの小学校の校長(チルチル)は困り果て,保安官のアッゴーはサボテン君を先生として招くことにした。
生徒の前で銃を打てないサボテン君は子どものいなくなったところで悪党どもをやっつける。

<第二回>
学校の隣に娯楽場を建てようとするオールバック。
阻止しようとするサボテン君だったが,逆に変な契約書にサインさせられてしまう。
夜のうちにその娯楽場を移動させてしまったサボテン君はお返しの契約書にサインをさせる。

<第三回>
宝の地図を持ってサボテンくんを誘うレモン・キッド。
二人はハゲタカの集団に捕まってしまう。
そのハゲタカを操る老婆はこの宝の地図の持ち主の子孫だった。
宝は老婆に渡すが,それは昔の石のお金だった。

<第四回>
仮想大会の賞金で欲しかった馬を買おうとしたサボテン君。
ところがその馬は悪党のブラックジャックによって奪われてしまった後だった。
その隣の馬を買ったサボテン君はブラックジャックを捕まえる隊に駆り出されてしまう。
ブラックジャックと対決したサボテン君だったが,二頭の馬は親子同士だった。
仮想大会の場面でミッキーマウス出演。

<第五回>
金鉱を掘り当てて大金持ちになったフーグ氏。
その財産を狙うものは数多くいて,ついに銃で背中を撃たれ事切れてしまう。
その時部屋にいたレモンは容疑者として捕らえられてしまう。
牢屋の隣にいたのはオールバックの部下で,サボテンを片付けるのを条件に味方になってしまう。

<第六回>
町の人はオールバックを恐れて子どもを学校によこさなくなってしまった。
町を行くサボテン君はレモンからの果たし状を受け取ってしまう。

<第七回>
レモンはサボテンにフーグ氏を殺した犯人の事を知らせる。
レモンは悪党たちに捕まってしまうが,サボテンはシェリフの元に走り,関係者を集めるように要請する。

<第八回>
フーグ氏を殺したのはレモンと仲良くなっていたクリス・ヘイワースだった。
それを告げられた彼女は一目散に逃げていった。

<第九回>
オールバックを倒したサボテン君はレモンに町を託して,家に帰っていく。
しかし父のコルク氏はヘックとの賭けトランプに負けてすべての財産を失った上に自殺してしまっていた。
妹のアリスの行方もわからないサボテンはそれを聞き出すためにヘックとのトランプに望み,負けてしまう。

<第十回>
危機一髪のサボテン君を救ったのはビリイだった。
ヘックを追い出したサボテン君はシャッド夫妻とも再会し,アリスを捜す旅に出る。

<第十一回>
ヘックによって線路に縛り付けられたアリスを間一髪のところで救い出すサボテン君。
しかし,それもつかの間,二人は底なし沼に落ちてしまう。

<第十二回>
ヘックの部下を騙して,底なし沼から脱出したサボテン君とアリス。
汽車に飛び乗るサボテン君と失敗するアリス。
家に戻ったサボテン君は毒をつかまされようとしていたビリイを間一髪で助ける。

<第十三回>
奮戦かなわず焼け野原にされてしまう牧場。
しかし,そこで思い出したフーグ氏の財産。
アリスをまず連れて,レモンの元に向かおうとするサボテン君。
それを聞きつけたヘック・ベン。

<参考文献:国書刊行会復刻シリーズ>

『図版使用書籍』
アサヒグラフ4月29日号(1977年)
平凡パンチ11月28日号(1977年)
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
こころにアトム(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
もっと知りたい手塚治虫(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
ダ・ヴィンチ8月号(1998年)
文藝別冊 手塚治虫(1999年)
僕らの愛した手塚治虫(2006年)
手塚治虫の「新宝島」(2007年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
手塚治虫語辞典(2023年)