Google
WWW を検索 手塚治虫のすべてを検索



[1961年作品リストへ]

「アリと巨人」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1961年04月号〜1962年03月号 - 中学一年コース 学習研究社 未確認 連載 -
1962年04月号〜1962年10月号 - 中学二年コース 学習研究社 未確認 連載 -
1965年07月01日 手塚治虫漫画全集10巻 アリと巨人 鈴木出版 B5判 - -
1979年08月20日 手塚治虫漫画全集72巻 アリと巨人 講談社 B6判 -
1996年09月 小学館叢書 手塚治虫中期傑作集9 小学館 四六判 -
2008年01月 手塚治虫全集10巻 アリと巨人 金の星社 B5判 鈴木出版全集の復刻
2011年02月 手塚治虫文庫全集120 フィルムは生きている 講談社 文庫判 -

『作品内容』
昭和14年−
一人の男が出征していった,その名は井上英夫。

昭和20年−
英夫の一人息子はもう六歳になっていた。 彼はくすのきを父親と思っていた。 母親は工場で働いていたが,空襲によってその命を散らす。 少年は空襲を行った戦闘機のパイロットからその遺産を貰い受けるメモをもらう。

昭和21年−
戦争は終わった。 少年(マサ)はムギやんという少年と共になんとか生活をつないでいた。

昭和22年−
二人は米軍演習場のタマ拾いをして糧を得ていた。 ムギやんはその途中で犬にかまれて怪我を負う。 親方にどやしつけられて帰る途中の二人を親方が追ってくる。 米軍の将校(ヘック・ベン)がマサやんに戦争中のあのパイロットの遺産を持ってきたのだ。 しかし,マサやんはムギやんの手当てとくすのきを守ることだけを依頼する。

昭和24年−
東京の新聞社で働くマサやんは今でもムギやんへの送金は欠かしていなかった。 しかし,ムギやんはとっくに完治し,馬手組の親分(ブク・ブック)とやりあうなど今では立派なやくざとなっていた。 マサやんは新聞社の専務の姪であるはるみの推薦もあって正社員となる。

昭和27年−
ムギやんは親分から××党の菅沼書記長の暗殺を依頼される。 そのために上京した彼は六年ぶりにマサやんと再会する。 そして書記長の殺害に成功するが,その事件を担当するマサやんはリンチにあってしまう。 ムギやんはマサの命乞いをするが,命と引き換えに眼と声をマサはつぶされてしまう。

記者でラムネ,カルピス手塚先生ヒゲオヤジが,警察でレッド公,壁の絵でヒョウタンツギ(p.92),その他ブクツギキュ(p.74)が出演。

昭和28年−
目の見えないマサやんは故郷でムギやんと再会する。 そこで書記長殺害犯人を探す決意を見せるが,マサやんから注意を受ける。

昭和29年−
ムギやんとはるみはある昆虫マニア(手塚先生)の証言で菅沼事件の犯人のモンタージュを手に入れる。 しかし,はるみはそれがムギやんであるとは言い出せないでいた。 一方,ムギやんは姿を隠すため外国へ飛ぼうとし,マサやんを尋ねた。
空港を警備する刑事(下田警部)もマサやんを信用してムギやんを通過させてしまう。 飛行機が飛んでからはるみから真実を聞かされたマサやんは自首をする。

裁判官でヒョウタンツギ(p.141)が出演。

昭和33年−
眼も完治したマサやんの下宿に新しい住人:サボテンが入ってくる。 彼の尺八には大家(ノンキメガネ)も困り者。 マサやんは新聞記事でムギやんそっくりのジョージ・Mという男を見,かつての新聞社の小田原(シミ・アバータ)を問いただすが一蹴されてしまう。 しかし,ホテルを訪ねるとまさしくムギやんだった。 彼は故郷のくすのきのあった原っぱに兵器工場を作るとマサやんに宣言するのだった。

昭和34年−
マサやんは故郷の小学校教師として帰郷する。 そしてそこにはなぜかはるみも同時に教師として赴任してくる。 マサやんはくすのきを切ろうとするムギやんと真っ向から対決する。 ムギやんの作った兵器工場のミサイルは間違って村に墜落し,村民は彼の追放に動く。 そんなとき,台風が迫り,村は流され工場も共に解体する。 ムギやんはそれと共に命を落とす。 マサやんやはるみたちはくすのきのある丘に非難したため危機を回避することができたのだった。

木を切る職人でクッター(p.187),ミサイルの被害者の子どもで大助,工場反対運動の村民で力有武が出演。

<参考文献:講談社全集>

『図版使用書籍』
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
手塚治虫全百科(1981年)
ユリイカ 2月号(1983年)
手塚治虫とっておきの話(1990年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫論(1992年)
こころにアトム(1995年)
マンガの神様!(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
フィギュア王 no.11(1998年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
文藝別冊 手塚治虫(1999年)
手塚治虫講演集「未来への遺言」(2003年)
上を下へのジレッタ<完全版>(2008年)
「地上最大の手塚治虫」展(2012年)
ぼくの旅行記(2017年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
手塚治虫語辞典(2023年)