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「アラバスター」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1970年12月21日号
〜1971年06月28日号
- 週刊少年チャンピオン 秋田書店 B5判 連載 -
1978年11月20日 手塚治虫漫画全集89巻 アラバスター1 講談社 B6判 -
1979年02月10日 手塚治虫漫画全集90巻 アラバスター2 講談社 B6判 -
1981年05月05日 チャンピオンコミックス アラバスター1 秋田書店 新書判 -
1981年06月10日 チャンピオンコミックス アラバスター2 秋田書店 新書判 -
1981年07月20日 チャンピオンコミックス アラバスター3 秋田書店 新書判 -
1995年09月 秋田文庫 アラバスター1 秋田書店 文庫判 -
1995年09月 秋田文庫 アラバスター2 秋田書店 文庫判 -
2003年01月 講談社漫画文庫 恐怖短編集6「復讐の輪廻編」 講談社 文庫判 開幕収録
2010年10月 手塚治虫文庫全集088 アラバスター 講談社 文庫判 -
2018年12月15日 - アラバスター[オリジナル版] 立東舎 B5判 -
2019年09月13日 - テヅコミ Vol.12 マイクロマガジン社 B5判 -

『作品内容』
<開幕>
元オリンピックの英雄ジェームス・ブロックは肌の色から自分を振った映画スター、スーザン・ロスに復讐を考えていた。 ジェームスはスーザンによって刑務所に5年服役する事になったのであった。 彼は刑務所の中で化学者と名乗る老人から自分の体を消す光線の話を聞かされる。 退所し、老人の研究所でその光線を浴びた彼は、余りの痛さから身を避け半透明の体となってしまう。 そして今は人気も落ちたスーザンの別荘に乗り込み彼女に光線を浴びせその命を奪うのだった。

<亜美の秘密>
亜美は母親と兄のカニ平と三人で幸せに暮らしていた。 しかし、なぜか亜美は毎日白粉を塗っていたので友達にいつもいじめられていた。 彼女はその訳を話すよう母親に迫る。 そしてその夜一緒にお風呂に入った母子だったが、白粉を落とした亜美は何と透明だった。 彼らの家を覗く一つの影。 それを追ったカニ平はカメラにその姿を取るがカメラを奪われ壊されてしまう。 彼はあのジェームスだった。 家にはアラバスターと名乗るジェームスから電話がかかってきた。 彼はあの化学者から孫娘である亜美を引き取るよう頼まれていたのだった。 それを拒否する母。

<ツッバリのゲン>
5年の月日が経った。 亜美の正体を知ったゲンは彼女に女優の宝石を盗むように依頼する。 ところが現場にいたゲンは写真を撮られ、裁判にかけられる。 しかもその裁判の検事は亜美の母親が務めていた。 ゲンが公害病に苦しむ人達のためにお金を作ろうとドロボウを考えた事情を知った亜美は彼を無罪にしようとする。 それもかなわず裁判所の外に出た亜美はアラバスターと出会う。 それから彼女は家に帰らなかった。
ゲンの知り合いでテツノのオッサンが出演。

<奇顔城>
アラバスターの手引きで刑務所を抜け出したゲンとその仲間たち。 彼らは孤島にある奇顔城に連れて行かれ、アラバスターの仲間となる事を約束するのだった。 そこでアラバスターは亜美に彼女自身の秘密を話し、半透明光線銃を渡す。

<FBIの使者>
××市の市長である仁古二好氏を殺害したアラバスターたち。 半透明銃を彼に向ける事を拒否した亜美はアラバスターに「美」とはなにかという話を聞かされるのだった。 その後町に出て彼らを追うためにFBIから派遣されたロック・ホームを見た亜美とゲンはロックのいるホテルの部屋に脅迫の電話をかけるのだった。 しかし、アラバスターは××市でもう一仕事する積もりでいた。
仁古の運転手でノールス・ヌケトールが、 その他ヒョウタンツギ(p.51,52)が出演。

<ピエロの首>
ファッションショーを襲い、宝石と出演女優たちを奪ったアラバスター。 しかし、女優の中にはロックが変装していて、小屋は警官に囲まれる。 小屋ごと船に改造してあったアラバスターたちは逃走に成功するが、亜美はロックに連れ去られてしまう。 彼女はロックに乱暴された上に体中にラッカーを塗りつけられてしまう。 逃げ出す事には成功するがその目立つ風貌から追いつめられ、兄のカニ平に電話をして助けを請うが一方的に切られてしまう。 そして海に落ちてしまった亜美はアラバスターによって助けられる。
刑事でヘック・ベンが、 ゲンの変装姿(p.103)で手塚先生が出演。

<あにいもうと>
カニ平は奇顔城に乗り込み亜美を連れて帰ろうとする。 しかし、騒ぎの中彼は気を失ってしまい気がついた時城はもぬけの殻だった。 そして彼は亜美にひどい仕打ちをしたロックを叩きのめすが、警官によって押え込まれてしまうのだった。
女優の顔(p.121)他(p.177)でヒョウタンツギが出演。

<殺しへの巡礼>
次々と殺戮を繰り返すアラバスターと亜美。 ロックの部屋に忍び込み亜美は兄が刑務所に入っている事を聞かされる。 そして彼女はゲンからもう辞めようと持ち掛けられるのだった。

<湖のとりで>
警察に行ったゲンは当然捕らえられるが、彼はカニ平は無実だという事を証言しようとしていた。 そして更に彼を連れアラバスターの隠れ家に入り込み、基地ごと爆破しようと申し出る。 アラバスターに疑われながらも彼らは潜入に成功する。
ヒョウタンツギ(p.51,65)が出演。

<脱出作戦>
亜美を説得し、基地を抜け出そうと画策するカニ平とゲン。 睡眠薬を使って亜美を連れ出したふたりだったが、忍び込んでいたロックにそれを阻まれる。 しかし、体を張って亜美を守ったゲンに亜美は目が覚めるのだった。 そしてナルシストだったロックは自らの顔を傷つけられそこを去る。 基地の屋上にある気球を使って逃げ出そうとするカニ平と亜美。 それを止めるアラバスターを倒したのはゲンとは刑務所から一緒だった仲間たちだった。 カニ平とふたり逃げる亜美だったが、基地がミサイル攻撃を受け自分は助かってもいずれ死刑になるのはわかっていると、気球から身を投げるのだった。 カニ平にはその時彼女の体が確かに見えた。

<参考文献:チャンピオンコミックス>

『一口メモ』
手塚先生自身は「最悪のコンディションの時」に描いた作品と語っている。

『図版使用書籍』
マンガ奇想天外 SFマンガ大全集第2号(1980年)
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫論(1992年)
こころにアトム(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
ダ・ヴィンチ8月号(1998年)
人間ども集まれ!【完全版】(1999年)
SF Japan Vol.03 手塚治虫スペシャル(2002年)
手塚治虫マガジン2(2003年)
僕らの愛した手塚治虫2(2008年)
「地上最大の手塚治虫」展(2012年)
手塚治虫美女画集(2014年)
扉絵原画コレクション1950-1970(2017年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
サンエイムック「どろろ」「三つ目がとおる」大解剖(2019年)
手塚治虫語辞典(2023年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)