鉄腕アトム「シルバータワー」
『作品内容』
外務大臣(ランプ)からイランの砂漠の中に出来た物体を調査するように言われて出掛けたアトム、お茶の水博士とアブラ・アゲン(丸首ブーン)。
それは石油の井戸のようであったが周りが銀粉で覆われていた。
アブラ氏はそこに登る途中で蛇にかまれて命を落とす。
中に入った博士とアトムは少なくとも一千年は経っている2体のロボットと干からびた食料などを見付ける。
博士がどこかに触った拍子にロボットは動き出し、二人を宇宙人だと勘違いする。
彼らは地球に立ち寄った宇宙人の宿で接待をするロボットだった。
歓待される二人。
部屋には多くの宇宙人が残していったのであろう得体の知れないもの(ママーの置物など)が置かれていた。
千年ぶりに地上の様子を見るアダムとイブという名のロボットは空気が汚れ、水が汚され、緑の減っていることに気付く。
夜が明けて自分が地球人だと打ち明ける博士はそのとたんに掴まってしまい、アトムも両手を縛られてしまう。
彼らは地球を汚した人間が許せないのだ。
そして人間を抹殺するために変形をして出て行く。
身動きの出来ないアトムは自ら両手をマシンガンで打ち砕き、自由を得る。
博士を助けた後に外へ出、体当たりによってアダムとイブを砕く。
彼らは最後に言う。
「人間がいるかぎり地球はもうだめじゃ」
と。
博士にその事を聞かれるアトムは答える。
「ぼくは思いません!!」
と。
<参考文献:講談社豪華愛蔵版>
『一口メモ』
手塚先生がアトムを真剣に描いた最後の作品(小学二年生版とアトムキャットは除く)。
その最後のセリフが上記のもので締められていることに涙を誘われる。
『図版使用書籍』
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫マンガ大全(1997年)
手塚治虫キャラクター図鑑1(1998年)
鉄腕アトムコンプリートブック(2003年)
図説鉄腕アトム(2003年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)