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「MW(ムウ)」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1976年09月10日号
〜1978年01月25日号
- ビッグコミック 小学館 B5判 連載 -
1978年04月01日 ビッグコミックス MW(1) 小学館 B6判 -
1978年05月01日 ビッグコミックス MW(2) 小学館 B6判 -
1978年06月01日 ビッグコミックス MW(3) 小学館 B6判 -
1981年06月20日 小学館文庫 MW(1) 小学館 文庫判 - -
1981年09月20日 小学館文庫 MW(2) 小学館 文庫判 - -
1989年10月10日 小学館叢書 MW(1) 小学館 四六判 -
1989年11月10日 小学館叢書 MW(2) 小学館 四六判 -
1993年01月16日 手塚治虫漫画全集301巻 MW(1) 講談社 B6判 -
1993年02月17日 手塚治虫漫画全集302巻 MW(2) 講談社 B6判 -
1993年03月17日 手塚治虫漫画全集303巻 MW(3) 講談社 B6判 -
1995年02月 小学館文庫 MW(1) 小学館 文庫判 -
1995年02月 小学館文庫 MW(2) 小学館 文庫判 -
2011年09月 手塚治虫文庫全集150 MW(1) 講談社 文庫判 -
2011年09月 手塚治虫文庫全集151 MW(2) 講談社 文庫判 -
2017年12月20日 手塚治虫エッセイ集成 ぼくの旅行記 立東舎 文庫判 1977年7月10日号の単行本カット部
2018年07月30日 - MW<オリジナル版>1 復刊ドットコム B5判 レストア復刻
2018年07月30日 - MW<オリジナル版>2 復刊ドットコム B5判 レストア復刻
2019年12月13日 - テヅコミ Vol.15 マイクロマガジン社 B5判 第一章

『作品内容』
<第一章>"誘拐"
誘拐した子供を殺した上、身の代金を持ってきた父親をさえ殺してしまった犯人。 彼が逃げ込んだのはある教会だった。
そこの神父は彼を知っているらしく、変装させて逃がしてしまう。 彼は結城といい、関都銀行に勤めるエリート銀行マンだった。 その風貌は歌舞伎役者の河本玉之丞にうりふたつだった。 夜、彼はあの神父と会い、自分のマンションへ入っていく。 自己嫌悪に陥りながら結城を抱く神父。

<第二章>"悪夢"
賀来神父は司教に自分の若かりし頃の話をする。 彼は「カラス」と名乗るフーテン集団の一員であり、15年前彼らと共に沖ノ真船島へ行ったときの事。 そこで彼は遊びに来ていた玉之丞の弟の結城とであった。 二人は他の仲間と別れて風上の洞窟の中にいたが、誰も戻ってこないので降りていくとそこには死体が累々と築かれていた。 島に貯蔵してあった毒ガス"MW"が漏れ出してしまったのだ。 それ以来結城には良心というものが欠落してしまったのだという。

<第三章>"一蓮托生"
結城は支店長の娘である美保を殺害する。 さらに誘拐に見せ掛け、5000万円の身の代金を要求する。 マンションで美保に変装して出掛けようとする結城の前に賀来神父が立ちはだかる。 銃を結城に向ける神父は引き金を引く。 しかし、その時カーテンから現れたのは美保の死体だった。 自分の銃によるものと思った神父はもはや結城とは一蓮托生となってしまったのだ。
支店長の顔でヒョウタンツギが出演。

<第四章>"トライアングル"
結城の仕事を手伝ってしまう賀来。 彼は結城と別れたあと駅に谷口澄子を迎えに行く。 彼女は神父となってはじめて懺悔を聞いた人間だった。 そこへ結城が現れる。 友人のマンションへ行った澄子は自分が神父の事を好きだという。 しかしどうにもならない間柄だった。 次の日に教会へ行った澄子は結城と出会い、彼のマンションで賀来を待つ事にする。 そこで結城にレイプされる澄子。

<第五章>"報復"
結城が澄子を犯した事の証拠を突き止めた賀来神父。 彼は夜、彼のマンションの部屋へ行きナイフで結城を刺し殺してしまう。

<第六章>"悪魔の化身"
結城のマンションに再度訪れた賀来は彼がピンピンしているのを目の当たりにする。 彼は結城のトリックにはまってしまったのだ。 入院している澄子を再度犯す結城。 いつしか彼女は結城の事が忘れられなくなってしまう。 不自由な足を引き摺って彼のアパートに向かった彼女は犬と戯れる結城の姿を見、震える。

<第七章>"虎口に入る"
失意の支店長を慰めようと外に連れ出す結城。 しかし、彼は支店長を薬で眠らせた後に美保に化けて銀行強盗を働く。
次の日の新聞で大きく扱われ、支店長が理事を務める汚職政治家の中田の後援会にも結城が代理で出席する。 実は支店長と中田とは沖ノ真船島と関係があるのだった。
中田後援会の滴木の顔でヒョウタンツギが出演。

<第八章>"栄光の夜"
結城は支店長を工事現場に連れて行き、事件の真相をすべて話した上で彼を殺害する。

<第九章>"殺しのプレリュード"
結城は思想作家の芳元高生に予告をしながら、中田に関係ある人物を次々に殺していく。 しかし、中田の秘書を殺したときその近くにいた芳元の弟の等は巻き添えを食って命を落してしまう。

<第十章>"疑惑の穽"
賀来神父は目黒検事に呼ばれ検察庁へ赴く。 そこで検事は一連の事件の犯人は結城だと断定し、神父にその証言を依頼する。 しかし、自らユダになる事は出来ないと賀来は否定して検察庁を後にする。 教会には結城と澄子が来ていた。
二人は結婚するという。 すべてを澄子に打ち明けた上で式を挙げるようにいう賀来。 その途中で発作に襲われた結城は賀来によって介抱される。 すべては澄子と離れたい演技だったという結城を賀来は殴り、平然とした顔で結城は外に出るが、発作はおさまっていなかった。

<第十一章>"第三の証人"
結城はMWの隠蔽工作に関わった薮下建設の社長を誘拐して、沖ノ真船島へ向かう。

<第十二章>"廃虚"
島には賀来が待っており、結城は薮下を拷問にかけて15年前の事をしゃべらそうとする。 夜、結城ははじめて賀来と関係した15年前の事を思い出す。

<第十三章>"島の果て"
2日目の朝、薮下は1億2千万をもらってMWの処理をした事を話した。 そしてその半分はいまだに島の中に貯蔵してあるという。 島の外れ、亀甲墓の中にあるという。 そこを壊そうとする結城たちの前に軍用のヘリが近づき、薮下はその銃弾に倒れる。 結城と賀来は逃げ延びるが、結城はあくまで墓を暴くといって聞かない。 賀来は墓の裏側の薄くなっている部分をドリルで開けた。 そこにはMWが眠っていた。

<第十四章>"再会"
MWのカプセル、しかし中身は空っぽであり、どこかへ移されていた。 帰りの船の中で結城は驚くべき事を賀来に明かす。
MWを何とか手に入れ日本中、いや世界中の人間に試したいのだという。 戦慄を覚えた賀来は結城のマンションから出てくる澄子の姿を見る。 彼女を説得しようとするが彼女は既に結城の虜となっていた。 賀来は聖職を捨てても結城の計画を葬ろうと決心する。

<第十五章>"協力者"
賀来は新聞社へ出掛け、社会部の青畑という男に15年前の事件の事を話す。 彼は興味を持ち、沖ノ真船島まで行って色々と調査をする。 MWの運び込まれたのは何と内地だというのだ。 驚愕する賀来に一本の電話がかかってくる。 結城が倒れたというのだ。

<第十六章>"邂逅"
意識不明の重態に陥る結城の前に中田英覚の娘が現れる。 彼女は結城と三日前に婚約したというのだ。 驚く賀来の前に澄子が現れる。 興奮している澄子は面会謝絶の病室へ入っていく。 と、そこには検事の目黒がいた。 彼は元支店長の娘の美保の死体があがったといい、その後の美保に化けていたのは結城だと断定する。 一方青畑は世間がひっくり返るような記事を物にするが、命を狙われてしまう。

<第十七章>"標的"
青畑の記事は日本中を嵐に巻き込んだ。 中田は結城を見舞い、自分の秘書になるように要請する。

<第十八章>"封じこめ"
賀来は結城のマンションを訪ね、あくまでも事件の告発を続けると宣言する。 と、その頃青畑はS県の伴俊作を訪ねていた。 彼は沖ノ真船島の生き残りの一人であり、話を聞こうと思ったのだ。 2階で待つ青畑の元に爆弾が投げ込まれ、彼は重傷を負う。 その間際、伴にメモ帳を賀来に渡すように頼むのだった。

<第十九章>"アラベスク"
結城が中田の娘の美香と式を挙げているその時、伴は賀来を訪ねて青畑の手帳を渡していた。 教会を出た伴は拉致され、拷問に遭う。 手帳の中身について追求されたのだ。 何も知らない伴は山中に置かれるが、その前には結城の飼い犬の巴が立ちはだかるのだった。

<第二十章>"倒錯"
伴は巴に一物を食いちぎられるが、逆転して焼き殺してしまう。 結城は賀来を訪ね、ゲイの集まる場所へ連れて行く。 そこで写真を撮られてしまった賀来はその写真をネタに脅しをかけられる。 ある新聞社がそのネガを買い取るが、記事にはしなかった。 その編集長が同性愛者であったのだ。

<第二十一章>"エピソード"
結城は禁固三十年の刑に服している金庫破りのカザルの脱獄に手を貸す。 そしてメキシコ経由で日本へ渡るように指示をする。

<第二十二章>"仮面の訪問"
結城はミンチ中将夫婦の両方と関係を持つ。 そして帰国するミンチ中将を見送りたいと言い出し、R基地に入る許可を得る。 目黒検事は結城美香を訪ね、真実をすべて話す。 帰ってきた結城は美香を殺害し、指を切断、顔を焼いた後で線路に投げ込む。

<第二十三章>"R基地に悪魔がきた"
賀来は基地内の司教を訪ね、中将を人質にとってMWを探す結城を追う。 結城はカザルの手を借りながら、貯蔵庫にたどり着く。 賀来と司教もそこにつくが、結城はためらいなく司教を撃ち殺す。

<第二十四章>"人質"
MWを詰めた袋を持った結城はウォーレス司令官の子供たちを人質にとって中将の専用機へ向かう。

<第二十五章>"破滅への出発"
中田英覚は結城の机の中から美香の指を見付ける。 飛行機に乗る手前で結城は目黒検事に会う。 彼は何としても結城を捕まえると言い張る。

<第二十六章>"最期の賭"
結城は再び飛行機を東京空港に戻した。 目黒検事はそこで結城の兄の河本玉之丞にMWの入った袋そっくりのものを持たせて仲間(力有武)と共に同じ飛行機に潜り込ませる。 機内ですりかえに成功するが、結城はそれに気付き取り戻そうとする。 賀来はMWの入った袋を抱えて海に落ちる。 そして結城は中将によって射殺される。 事情聴取が終って玉之丞は目黒検事に送られて外へ出る。 そこで彼は不敵な笑いを浮かべた…。
テレビの画像でヒョウタンツギが出演。

<参考文献:小学館文庫>

『図版使用書籍』
手塚治虫漫画40年(1984年)
ビッグコミック3月10日号(1989年)
手塚治虫展図録(1990年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
こころにアトム(1995年)
月刊カドカワ9月号(1995年)
手塚治虫マンガ大全(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
ダ・ヴィンチ8月号(1998年)
神様手塚を読む(1999年)
原画の秘密(2006年)
ダ・ヴィンチ2008年7月号(2008年)
上を下へのジレッタ<完全版>(2008年)
MEN'S NON-NO 2008年12月号(2008年)
手塚治虫ぴあ(2016年)
手塚治虫の世界(2017年)
手塚治虫の美男美女画集(2017年)
わたしたちの手塚治虫(2018年)
扉絵原画コレクション1971-1989(2018年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
FLASH2018年11月13日号(2018年)
手塚治虫語辞典(2023年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)