「リボンの騎士」
『映像化』
リボンの騎士
(1966年:虫プロ製作・パイロットフィルム)
リボンの騎士
(1967年:虫プロ製作・テレビアニメ)
『舞台』
リボンの騎士
(1983年・劇団電撃)
リボンの騎士"鷲尾高校演劇部奮闘記"
(1998年・銀座セゾン劇場)
『作品内容』
「第一章」むかしむかし
いたずら天使のチンクは生まれる前の子供に男の子の心を飲ませてしまった。
ところが神様は女の子と決め,その心を飲ませる。
二つの心を持ってしまったこの男の子の心を取り戻すためにチンクは下界に降りていく。
そこ,シルバーランドの宮殿では女の子が生まれていた。
しかしズーズー弁の博士のせいで王女様は王子様として伝えられていく。
王位を狙うジュラルミン大公とその部下であるナイロン卿は疑惑を持つ。
「第二章」花と閲兵式
15年の月日が経った。
サファイヤと名づけられた王女は王子として育てられ,一日の半分を男,女と使い分けていた。
シルバーランドの掟で王女は王位を継ぐことができないのだ。
あるときの閲兵式でサファイヤは間違えて女の靴をはいてしまう。
かねてから疑いを持っていたジュラルミン大公はナイロンを派遣して化けの皮をはがそうとする。
しかし,サファイヤはそれを切り抜け,ナイロンを追い返してしまう。
ずっと彼女を見守っていたチンクは乳母の声を真似て呼び出し本音は女の子であることを確認する。
「第三章」復活祭
年に一度の謝肉祭の夜。
サファイヤは亜麻色の鬘をかぶりドレスを着て出かけていく。
そこで出会ったのはゴールドランドの王子フランツだった。
彼とのダンスに興じるサファイヤはナイロンが博士から秘密を聞き出そうとしているのを目撃する。
急いで祭りから離れ,ナイロンを追い返す。
その後もサファイヤはフランツのことが忘れられない。
武術大会を開催し,フランツを招待することを企画する。
それを聞いたジュラルミンとナイロンはサファイヤの相手の剣に毒を塗ることを画策する。
「第四章」競技大会
フランツを招いたサファイヤは成り行きで彼と試合をすることになってしまう。
さらにフランツの剣にはジュラルミンの陰謀で毒が塗ってあった。
その件がサファイヤによって投げられたとき,それはサファイヤの父である王様の馬に当たってしまう。
興奮した馬に引きずられた王様は命を落とし,フランツは捕らえられてしまう。
「第五章」牢獄の王子
悲しみにくれるサファイヤだったが,再び変装して牢にいるフランツを逃がす。
フランツはサファイヤへの恨みを述べて去っていく。
サファイヤの即位式はすぐそこに迫っていた。
「第六章」即位式
即位式の乾杯の後,王妃はサファイヤの秘密を洗いざらいしゃべってしまう。
ジュラルミンが杯の中に興奮剤を入れていたのだ。
即位式は中止となり,王位はジュラルミンの息子であるプラスチックが継ぐことになってしまう。
サファイヤと王妃は棺桶塔の牢に入れられ,牢番のガマー(ロンメル)によって使われることになる。
「第七章」棺桶塔のサファイヤ
ガマーにこき使われていたサファイヤはネズミたちと仲良くなり,脱出できる穴を教えてもらう。
しかし,ガマーはナイロンから二人を殺害することを指令される。
失敗して階段から落ちたガマーはサファイヤに介抱される。
心を開いていくガマー。
シルバーランド内ではサファイヤの話題を出すことがすなわち鞭打ちの刑となっていた。
チンクはナイロンに捕まって矢を射られようとしていた。
「第八章」リボンの騎士登場
そこで助けに来たのがリボンの騎士,実はサファイヤだった。
チンクは男の子の心を抜こうとして,ぶなの木の枝で笛を作る。
その音色を聞いたサファイヤは力が抜け,剣もたたない。
チンクが吹くのをやめるととたんに強くなって近衛兵をやっつけてしまう。
チンクはそんな笛を捨ててしまう。
「第九章」ばか王のいいなずけ
ジュラルミンは息子であるプラスチックに年頃の娘を娶わせようとする。
その噂を聞いたサファイヤは変装し,短剣を携えてわざと近衛兵に捕らえら
れる。
しかし,その途中でフランツと出会い助けられてしまう。
その場から逃げ出してしまうサファイヤ。
忍ばせておいた短剣を落として…。
宮殿でプラスチックの相手に選ばれたサファイヤはプラスチックから王冠を
奪おうとするが短剣がなく,捕らえられてしまう。
「第十章」悪魔のささやき
牢の中に悪魔のヘル夫人がやってくる。
サファイヤの女の心と交換に牢から逃がしてくれるという。
そこに現れるチンク。
十字架をかざしヘル夫人を追い返す。
「第十一章」石切り場のふたり
石切り場で強制労働をさせられるサファイヤとチンク。
サファイヤは鬘が取れてしまい,身分がばれてしまう。
一方亜麻色の髪の乙女がいると聞いたフランツは石切り場でサファイヤと再会する。
今でも牢に入れられたのはサファイヤの仕業だと信じているフランツは剣で試合を挑む。
ナイロンたちが現れるのを聞いた二人はそこから逃げ出すが,フランツは矢に射られてしまう。
森の中の小屋に運び込んだサファイヤは再び変装してフランツの介抱をするが,
そこにヘル夫人が現れ,連れ去ってしまう。
目を覚ましたフランツはサファイヤが亜麻色の髪の乙女を連れ去ったに違いない,と勘違いする。
「第十二章」魔女の館
ヘル夫人の塔に囚われの身となったサファイヤ。
夫人の一人娘であるヘケートは勝気な性格であり,サファイヤに意地悪をする。
その彼女にサファイヤの女の心を飲ませればしとやかになり,さらにフランツの心を捉え,ゴールドランドを手に入れられると
夫人は考えていた。
そんな計画を何とかつぶしたいヘケートはサファイヤに白鳥になる薬を飲ませて逃がしてしまう。
禿鷹に囲まれてしまったサファイヤはフランツに助けられるが,当然その白鳥がサファイヤであるとは気付いてくれない。
「第十三章」なげきの白鳥
ヘル夫人はシルバーランドの伯爵夫人に化けてゴールドランドを訪れる。
亜麻色の髪の乙女に化けたヘケートを連れ,フランツとの指輪交換にいたるが,白鳥のサファイヤも現れ,
フランツはその乙女は別人だと断定する。
さらにチンクによって財宝も何もごみに変わってしまい,夫人親子は退散する。
魔法の解けたサファイヤはフランツによって牢に入れられてしまう。
チンクの機転で脱出する。
スパイダー出演(1巻,p.232,242)
「第十四章」ふたつの心
逃亡の途中でナイロンに見つかってしまうサファイヤとチンク。
剣で応戦し,もう一突きというところまで行くが,天国の神様から今のうちにサファイヤの男の心をぬくように言われた
チンクはそのとおりにし,その結果サファイヤは旗色が悪くなってしまう。
天国に帰るよりもサファイヤを助けるほうを選んだチンクは男の心をサファイヤに返す。
馬を手に入れた二人は棺桶塔に向かうが,そこは火に包まれていた。
そこでふたりはガマーと王妃は海蛇島に運ばれたことを知る。
ボートを使って島へ渡ろうとする二人の前にヘル夫人が現れる。
「第十五章」石になった王妃
ヘル夫人を振り切って海蛇島に向かう二人だったが,魔術によって流されてしまう。
さらに王妃とガマーは石に変えられてしまい,元に戻るにはサファイヤの血を流すしかないのだった。
サファイヤとチンクはどことも知れぬ海に流され,ブラッド率いる海賊船と出会う。
ブラッドはサファイヤに求婚し,心を得るためにジュラルミン大公を誘い出し殺害しようとする。
海賊船のマークでヒョウタンツギ(2巻,p.12)
「第十六章」海賊ブラッド船長
ナイロン率いる軍船がブラッドを囲む。
しかし,ブラッドはかねてから調教してあったイルカを使って海神の火を見せ退散させる。
囚われの身になったナイロンはサファイヤとも再会し,王妃が石にされてしまったことを話す。
黙って船を出てナイロンを水先案内にし,チンクとともに海蛇島へと向かう。
そこでサファイヤはチンクから王妃を戻すには心臓の血を浴びせるほかないことを知らされる。
これ幸いにサファイヤを殺害しようとするナイロンだったが,ブラッドがこれを止める。
船に戻ったブラッドは大公が鹿狩りを催すことをサファイヤに伝え,そのときに捕らえる計画を話す。
「第十七章」さんざしの森のできごと
フランツ王子を伴って狩をする大公。
森の中でフランツは亜麻色の髪の乙女の声を聞く。
一方,大公はナイロンを人質に取られ,ブラッド一味に取り囲まれてしまう。
大公を助けようとするフランツ。
立ちはだかるブラッドの後ろにサファイヤの姿を見る。
そこでフランツはあの乙女とサファイヤが同一人物であることを知る。
それを見たヘル夫人はサファイヤをさらい,力づくで女の心を抜き取ってしまう。
夫人を追うチンク。
サファイヤと再会したフランツは彼女が男になってしまっていることを知り当惑する。
ヒョウタンツギ出演(2巻,p.60)
「第十八章」子ネコと天使
ヘケートにサファイヤの女の心を渡すヘル夫人。
しかし,ヘケートは母親をだまし,サファイヤに心を返そうとしてネコに変身し塔を出る。
一方,男の心だけになったサファイヤは王位を取り戻そうとして宮殿に戻る。
元老に化けた刺客によってやられそうになるがヘケートの魔法に助けられる。
女の心を飲むことによって再び王位継承権を失うことを恐れるサファイヤ。
ヘル夫人が再び現れるが礼拝堂の力で退散する。
チンクはサファイヤから男の心を抜き取って女の心を埋め込む。
しかし,男の心はプラスチック王が飲んでしまう。
今までばか王だったプラスチックはこれによりまともになり,サファイヤに対して謝罪をする。
いずれは掟を変えてサファイヤを女王として王位を継承することを約束する。
「第十九章」ヘル夫人の要求
ヘル夫人はフランツを捕らえてヘケートと結婚することを要求する。
承諾しないフランツに,夫人は受け入れられないとサファイヤは12時に命を落とすと告げる。
そのころ城ではサファイヤが海賊のブラッドと一緒だったことから死刑が宣告される。
その有様を見たフランツは夫人の要求を受け入れてしまう。
サファイヤは城の女官たちに守られ,大公と対抗する。
スパイダー出演(2巻,p.147)
「第二十章」女の戦い
女官たちはサファイヤを守るために大公たちと戦い,サファイヤ自身もナイロンと剣を交えていた。
一方フランツはヘル夫人とヘケートの訪問を受けていた。
しかし,ヘケートにはフランツとの結婚の意志がないことを知る。
おじのシャネル五世が帰城し,フランツは悪魔の娘と婚約したことを告げる。
ヒョウタンツギ(2巻,p。157),ヒゲオヤジ(2巻,p.168)
「第二十一章」魔の山ハルツにて
フランツはサファイヤに別れを告げて,魔の山ハルツに足を踏み入れた。
そこでヘル夫人はフランツには王子としての地位がすでにないことを知り,魔王サターンに助力を頼む。
サターンはゴールドランドの川に人間が石になる薬を流し込み,シャネル五世を始めすべての人を石にしてしまう。
彼はその見返りに若く美しい娘を要求し,ヘル夫人はサファイヤを捕らえに向かう。
「第二十二章」ふたつの眠り
フランツについての真実を知ったサファイヤはヘル夫人に女の心を渡す代わりに王位がほしいと話す。
ヘル夫人はそのために邪魔な大公を犬にしてしまい,その男の心を奪ってしまう。
やけくそになったナイロン卿はサファイヤと彼女の味方になってしまったプラスチック王を矢で射,逃走する。
医師たちがあと3日の命だと告げる。
直すためには黒真珠島に行かなければならない。
ブラッドは海賊船を駆って島に向かう。
スパイダー(2巻,p.200)出演。
「第二十三章」悪魔の結婚式
とうとうフランツとヘケートは結婚式を挙げる。
しかし,二人は小悪魔が化けた偽者だった。
本物のフランツたちは逃走を続けていた。
ヘケートはヘル夫人が奪ったサファイヤの女の心をフランツに託す。
追ってきたヘル夫人とヘケートが争い,フランツはチンクが渡した十字架でヘル夫人に勝つ。
夫人の魔法で生まれたヘケートは夫人が死んだことでともに命を落とす。
夫人の死によってゴールドランドで石にされた人たちとともにガマー,サファイヤの母親も元に戻る。
ゴールドランドのシャネル五世の部下でクッター(2巻,p.242)が出演。
「第二十四章」黒真珠島の女王
ブラッドは黒真珠島の女王パルパによって囚われの身になってしまう。
脱出に成功するがパルパの矢によって深手を負ってしまう。
そしてシルバーランドに戻ったとき,サファイヤはすでに事切れてしまっていた。
天に召されるブラッド。
駆けつけた王妃とフランツはチンクによって女神ビーナスにすがればサファイヤは命を取り戻すかもしれないことを知る。
「第二十五章」ビーナスのジェラシー
フランツはビーナスに出会い,サファイヤの命の火を再びともすことに成功する。
しかし,サファイヤは今までの記憶をすっかりなくし,フランツに恋心を抱いてしまったビーナスの計略によって城を出てしまう。
それを追うフランツ。
途中でビーナスの妨害にあうがサファイヤと同じ町までたどり着く。
ビーナスは放浪するナイロン卿を使ってサファイヤを牢に入れようとする。
作者で手塚先生(2巻,p.283)
「第二十六章」とりこの部屋
ヘル夫人から渡された宝石でウーロン候に近づいたナイロンはサファイヤを牢に入れることに成功する。
牢にいるサファイヤと再会したナイロンは記憶を失ったサファイヤに色々な真実を話す。
さらにウーロン候をけしかけてシルバーランドを手に入れようとしていることも。
それを聞いていたウーロン候はサファイヤを牢から出して,逃がす。
一方フランツはビーナスに捕まっていて彼女を愛するか死ぬかの選択を迫られていた。
ウーロン候の家来でレッド公(2巻,p.313)出演。
「第二十七章」丘の上の奇跡
サファイヤの行く手を阻止しようとするビーナスはサファイヤの顔を醜くしようとするが,チンクによって止められる。
ビーナスは森の中をサファイヤが通ると豚に変わってしまう魔法をかける。
ビーナスの部下のエロースはフランツのサファイヤを想う心に負け,囲いを解く。
それを阻もうとしたビーナスは自らの姿をサファイヤに変え,フランツに追わせる。
しかし,彼女は自分自身のかけた魔法にかかり,豚に姿を変えてしまう。
フランツはサファイヤと再会し,ともに城に向かう。
チンクは豚に変わってしまったビーナスを連れて天に帰っていく。
ヒョウタンツギ(2巻,p.353)
<参考文献:ほるぷ版手塚治虫選集>
『一口メモ』
日本初の本格的少女向けストーリー漫画のリメイク版。
『原形作品』
リボンの騎士
(1953年・少女クラブ)
『図版使用書籍』
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
アサヒグラフ4月29日号(1977年)
現代まんがシアター1 手塚治虫(1979年)
手塚治虫 マンガの魅力(1979年)
ユリイカ 2月号(1983年)
Manga! Manga!(1983年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
アサヒグラフ2月24日号(1989年)
手塚治虫の世界(1989年)
週刊読売2月26日号(1989年)
SPA!2月23日号(1989年)
女性自身3月7日号(1989年)
コミックボックス5月号(1989年)
PHP 6月増刊号(1989年)
手塚治虫展図録(1990年)
MOE 11月号(1990年)
Siesta 9/10月号(1991年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫のタカラヅカ(1994年)
手塚治虫のふるさと・宝塚(1996年)
手塚治虫大全(1997年)
もっと知りたい手塚治虫(1997年)
ぼくのマンガ人生(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
コミック・ゴン 第3号(1998年)
舞台「リボンの騎士」プログラム(1998年)
てんとう虫1月号(1999年)
文藝別冊 手塚治虫(1999年)
人間ども集まれ!【完全版】(1999年)
SF Japan Vol.03 手塚治虫スペシャル(2002年)
ROCKIN'ON JAPAN4月19日増刊号 SIGHT(2003年)
MOE 5月号(2003年)
原画の秘密(2006年)
僕らの愛した手塚治虫(2006年)
芸術新潮2008年11月号(2008年)
フィギュア王No.129(2008年)
クラシック音楽館(2008年)
僕らの愛した手塚治虫2(2008年)
手塚治虫〜知られざる天才の苦悩(2009年)
手塚治虫展図録(2009年)
「地上最大の手塚治虫」展(2012年)
手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから(2013年)
コモ・レ・バ vol.15 Spring2013(2013年)
手塚治虫美女画集(2014年)
僕らが愛した手塚治虫<復活編>(2016年)
MOE 3月号(2016年)
手塚治虫表紙絵集(2016年)
手塚治虫の世界(2017年)
扉絵原画コレクション1950-1970(2017年)
手塚治虫の美男美女画集(2017年)
わたしたちの手塚治虫(2018年)
pen 3月1日号(2018年)
てんとう虫10月号(2018年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
FLASH2018年11月13日号(2018年)
pen+ 手塚治虫の仕事。(2020年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)