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「ゴブリン公爵」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1985年09月06日号
〜1986年02月28日号
- 週刊少年チャンピオン 秋田書店 B5判 連載 -
1990年03月25日 チャンピオンコミックスエクストラ ゴブリン公爵1 秋田書店 B6判 - -
1990年04月15日 チャンピオンコミックスエクストラ ゴブリン公爵2 秋田書店 B6判 - -
1995年09月16日 手塚治虫漫画全集352巻 ゴブリン公爵1 講談社 B6判 -
1995年10月17日 手塚治虫漫画全集353巻 ゴブリン公爵2 講談社 B6判 -
1996年10月 チャンピオンコミックス ゴブリン公爵1 秋田書店 新書判 -
1996年10月 チャンピオンコミックス ゴブリン公爵2 秋田書店 新書判 -
1999年05月 秋田文庫 ゴブリン公爵1 秋田書店 文庫判 -
1999年07月 秋田文庫 ゴブリン公爵2 秋田書店 文庫判 -
2011年10月 手塚治虫文庫全集171 ゴブリン公爵 講談社 文庫判 -

『作品内容』
<PART.1>
1976年,中国の安陽で湖南大学の周博士(須武田教授),沈先生(オッサン)を中心として発掘調査が行われていた。 そこへ高級外車で現われた一人の少年。 高飛車な彼は鬼といい,江青の甥であった。 調査現場で縦穴の底に多くの殉死者の骨が出土する。 そして更に鬼が「燈台鬼」と呼ぶ巨大な頭の像が出てくる。 その像を引っ張り上げようとした所クレーンは地滑りで穴の底に落下し,沈先生が命を落とす。 そこに見えたのは大きな手だった。

<PART.2>
嵐のその夜,継母からローソクを買いに行かされた愛愛。 途中の地滑りで燈台鬼のある穴に落ちてしまう。 凍える中,彼女は燈台鬼にローソクを灯す。 そこへ同じ事をしようとした沈鬼は彼女にその理由を問いただすが,燈台鬼の手が彼を押さえつけ眼をあける。 愛愛がローソクの灯を消すと燈台鬼は動きを止めるが,穴の中は水びたしになっていく。

<PART.3>
病院に運び込まれた沈鬼と愛愛。 その沈鬼の頭に愛愛の声が聞こえてくる。 そして愛愛は部屋にあるメスを宙に浮かしていた。 つぎには小瓶を,枕を。 一方,遺跡の現場では燈台鬼の部品がすべて発掘され,一体の巨大な像が組み上げられていた。 その頃愛愛の部屋には継母が現われ,彼女を強引に連れて行こうとする。 逃げ出した愛愛は燈台鬼のローソクに火をつけ,立ち上がったまま母の前に現われる。
病院の医局員で鍬形陽介の家庭教師が出演。

<PART.4>
立ち上がった灯台鬼は愛愛の継母を押しつぶし,町へと進んでいく。 ちょうど同じ頃,周先生は甲骨文の翻訳を終わり衝撃を受けていた。 そこへ沈鬼が現われ,その真相を聞く。 燈台鬼は人間の心を移して動かすことのできる巨人だった。 真相を知った周先生を殺害した沈鬼は燈台鬼が元いた場所で愛愛が燈台鬼の心になっていることを知る。

<PART.5>
珍鬼は愛愛を起こそうとするが放心状態を抜けださせることができない。 そんな彼の前に天乱(琵琶丸)と名のる坊主が現われ,凶相がでていると告げて去っていく。 燈台鬼は町を破壊続けるが,とある親子を助けるなどやさしい行動も見られる。 攻撃を受けて川に沈む燈台鬼。 それと同じくして愛愛はホテルで目をさます。 川から燈台鬼を探し出そうとする者に対して珍鬼は江青の名を出して止めさせる。 いつか自分の手中に収めようと考えていた。

<PART.6>
場所は八重山群島。 スキューバダイビング宝探しが行われていた。 海に沈むシーザーをとった少年は海の中で相手を殴ったとして失格を言い渡された。 大会を主催していた般若と名のるふしぎな老人はその少年・貫一を訪ね,中国の黄河へ潜ってある燭台を探し出したら300万円を払うと申し出る。 それから1ヶ月後,貫一は中国安陽市にいた。 そこへ天乱和尚が現われ,死相がでていると脅す。 般若の指定したホテルへ行くと,大変な美少女が待っておりこれからやる仕事は絶対秘密であり承知なら朝6時に迎えに来るという。 翌朝,般若と共に黄河にでて潜っていく。 そこで彼は巨大な指の像を見るのだった。

<PART.7>
見てきたものを般若に伝えた貫一は,もう一度潜って燭台を探すように言われる。 言われるがままに潜る貫一。 燭台には般若の言うとおりに渡されたカプセルをかぶせる。 そこで彼は巨大な像の顔を見つけるが,般若には話さなかった。 帰りのボートの中で愛愛からすぐに逃げるように言われるが,礼金200万円を受け取るまでは帰らないと言い張る貫一。 ホテルに伝言があり,和尚の元をたずねる。 そこには海の底で見た像と同じ小さな像があった。 和尚は燈台鬼の謎を貫一に教え,念力の力を見せつける。 次の日,燭台にカプセルを取り付けた貫一は般若から200万の入った箱を渡され,帰ろうとするが箱はボートから飛んでいき大爆発を起こす。

<PART.8>
秘密を知った貫一を殺そうとした般若だったが愛愛の超能力で阻まれてしまう。 愛愛に燈台鬼に乗り移る様に言うが拒否され,彼自身で燈台鬼を目ざめさせる。 大あばれする燈台鬼。 船に戻った貫一は深い眠りに入っている般若を見つけるが,燈台鬼がおそってくる。 そこで愛愛がバルブを閉じると燭台の火が消えて燈台鬼は倒れる。 代わりに般若が目ざめて現われるが彼の仮面をとってそこに現われたのはゴブリンだった。 超能力で貫一を痛めつけるゴブリンだったが,船にもぐり込んでいた和尚の力で海に逃げ込む。

<PART.9>
燈台鬼を改修した和尚はそれを部品ごとばらばらにしてしまう。 貫一と愛愛は彼に連れられるままに寺に入り,その秘密の地下室へと向かう。 和尚はそこに燈台鬼の部品を持ちこんでいた。 そしてその場所はPK開発センターであり,超能力研究が行われていた。 元々超能力をもっていた愛愛だったが,精神的にはゴブリンに支配されており和尚はその心を貫一に向けさせるように話す。 超能力試験を受けていた愛愛は突然ゴブリンが乗り移り,そこまで来ていると告げる。

<PART.10>
ゴブリンは念力を使ってばらばらになっている燈台鬼を探していた。 地下秘密基地の入り口まできていたゴブリンは爆破をするか燈台鬼を渡すかをせまる。 粘る和尚に貫一を考えがあると言って燈台鬼を渡すように話,それに応じる。 和尚たちは燈台鬼を組み立て,7時3分前に燭台に火をつける。 貫一と愛愛はゴブリンが乗り移った後,放心状態になっているゴブリンを殺そうとしていた。

<PART.11>
ついにゴブリンは燈台鬼に乗り移った。 その隠れ家へ乗りこんでいった貫一と愛愛。 貫一はそこでゴブリンを殺害しようと銃口を向けるが愛愛に止められる。 貫一に殺人を犯させたくないというのだ。 暴れている燈台鬼に応戦している和尚たちは燭台の灯を消す。 するとゴブリンは目をさまし,貫一と愛愛を念力責めにするが,愛愛の反撃によって退散する。 貫一はゴブリンを倒すために念力を習うことを決意する。

<PART.12>
透視や念動力の訓練をする貫一だが,どうも才能がないらしい。 そんな貫一に和尚は仙人になったらどうか,と言い高い塔の上に置き去りにする。

<PART.13>
洪趙の山で古い遺跡が発見され,そこで3000年も昔の遺体が腐りもせずに保管されていた。 その後大雨が降り,山がくずれそうになると和尚の元に遺跡をなんとか持ち出せないかと相談が来る。 和尚は燈台鬼を使えば山の中から柩を出そうと考える。 反対する人々を押さえ,愛愛を使って燈台鬼を立ち上がらせる。 燈台鬼は柩を無事に持ち出すが,洪水の中で流木にあった小鳥の巣を助けようと片手ずつで石棺と巣を守ろうとする。

<PART.14>
塔の上にいた貫一に和尚がテレパシーをおくる。 近くでろうそくの火が消えそうになっている燈台鬼がいるので火をしっかりつけるように指示をする。 起き上がった燈台鬼がもっているのは古い遺体が入っている石棺と小鳥の巣。 貫一は死者を冒涜するようなことをするのは止めるように燈台鬼に話し,ある丘の上に埋葬する。 戻った貫一は平和的な行動をとった投打鬼に感動する和尚を見,そして今度はベトナムへ行くように指示される。

<PART.15>
ベトナム国境近くに来た貫一たち。 和尚は燈台鬼に難民キャンプへコレラワクチンを届けよと指示する。 出かける貫一と燈台鬼。 一方その難民キャンプでは多くの人々が死を待っていた。 医師(丸首ブーンら)はなすすべもなく奇跡を祈るしかなかった。 そこへやってきた軍隊(レッド公ら)はコレラの蔓延を防ぐという名目でキャンプごと焼き払おうとする。

<PART.16>
軍のやり方に抵抗する医師。 そこへコレラワクチンをもった燈台鬼が現われる。 火事を消すため,燈台鬼はメコン川まで進み,水を吐き出して火を止める。 しかし凱旋する燈台鬼を難民たちは鬼とみて,石を投げつける。 見た目のせいで悪者にされてしまう燈台鬼。

<PART.17>
プラネリア共和国の油田開発の基地でゴブリンが超能力で殺害をしている。 その開発をしているのは日本の会社だった。 社長の娘であるいずみが訪ねていくと社長室にゴブリンが現われる。 帰ろうとするいずみにひとりの作業員が手紙を託す。 その手紙は和尚宛でゴブリンの写真と状況が記されていた。 貫一と愛愛,燈台鬼はプラネリア共和国へ向かう。 その頃手紙を託した作業員はゴブリンに殺され,ゴブリンは燈台鬼に立ち向かう巨大ロボットを手にしていた。
海の中のコマでタコ出演。

<PART.18>
燈台鬼はばらばらにして別々のタンカーでプラネリア共和国へ向かう。 それに気づいたゴブリンはロボットの完成を急がせる。 貫一は燈台鬼を操って油田に向かう。 そこでゴブリンの動かす巨大ロボットと対峙する。

<PART.19>
ゴブリンの操るロボイドと対峙し,戦いたくないと話す燈台鬼。 しかし,その挑発に逆らうことはできずに闘いを始める。 貫一はロボイドを操るゴブリンを探す。 そしてエレベーターの天井裏に眠るゴブリンを見つける。 その頃燈台鬼とロボイドはつかみ合いながら海に落下していた。

<PART.20>
灯台鬼は海に落下し,頭のろうそくの火は消えてしまう。 急いで回収に向かうが,そのときゴブリンが目をさまして貫一と対峙する。 超能力で痛めつけられた貫一はゴブリンと甲板に立つ。 灯台鬼を運び出していることに気づいたゴブリンは貫一に催眠術をかけ,愛愛を含めた全員に毒を呑ませるようにしこむ。 言いなりになっている貫一にワインをつがせたゴブリンは突然嘔吐に襲われる。 耳栓をしていた貫一は催眠術にかかったふりをして,ゴブリンに毒を呑ませていた。

<PART.21>
毒がまわって念力が使えなくなったゴブリンは貫一の敵ではなかった。 エレベーターの底に落ちるゴブリン。 彼は霊魂は死なないと言い残して死んでいった。 病院に赴いた貫一と愛愛は社長と娘のいずみと話しをする。 いずみは父親が昔とは変わってしまったと口にする。 社長はいずみと二人で灯台鬼の前に立ち,頭のろうそくに火を灯す。
船長でクッター出演。

<PART.22>
社長に乗り移っていたゴブリンの霊魂が燈台鬼に移り動き出してしまった。 暴れる燈台鬼に対して念力で対抗する愛愛。 しかしゴブリンには勝てず,両腕の中でつぶされていく。 甲板に出た燈台鬼。 念力でタンカーを陸へ全速力で動かしていく。 貫一は眠る愛愛からゴブリンの念力は200メートルほどしか届かないと知らされ,タンカーの端に穴を空けて水没させるように話す。
医師でオッサン出演。

<PART.23>
タンカーの水没を予測したゴブリンは燈台鬼に爆弾を持たせてその爆発の勢いで上陸を果たす。 ゴブリンは総理大臣に念波をおくり,燈台鬼を受け入れるようにせまる。 暴れまわる燈台鬼。 意識を取り戻した愛愛は貫一に燈台鬼を止める唯一の方法があると話す。

<PART.24>
愛愛は自分が燈台鬼に乗り移り,ゴブリンとの神通力の勝負で燈台鬼を乗っ取り,破壊すると話す。 心がせめぎ合い,暴走を始める燈台鬼。 しかし,ついに愛愛が打ち勝ち燈台鬼は歩き出す。 浅間山の火口に身を投げる燈台鬼。 愛愛の命の炎も同時に消えていくのだった。

<参考文献:週刊少年チャンピオン>

『一口メモ』

『図版使用書籍』
手塚治虫の軌跡(1992年)
こころにアトム(1995年)
手塚治虫マンガ大全(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
ダ・ヴィンチ8月号(1998年)
原画の秘密(2006年)
フィギュア王No.129(2008年)
僕らの愛した手塚治虫<激動編>(2012年)
手塚治虫美女画集(2014年)
「バンパイヤ」第二部完結編(2014年)
手塚治虫ぴあ(2016年)
扉絵原画コレクション1971-1989(2018年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)