「ジャングル大帝」
『作品内容』
<1950年11月号>
白いライオン・パンジャを捕まえにジャングルで現地の酋長と食事をするハム・エッグとクッター。
突然襲ってきたパンジャ。
鉄砲を奪い火にくべてしまう。
そして村で飼っていた家畜も襲って姿を消す。
パンジャは人間に飼われることを選んだ動物を許さなかった。
マタタビを罠に仕込むハムエッグ。
しかし逆に動物に襲われ命からがら戻ってくる。
さらにその間に村は襲われ,酋長のひとり息子もさらわれてしまった。
<1950年12月号>
森でロンドン動物園に頼まれた動物を襲ったハムたちは逆にパンジャに襲われ大怪我を負う。
今度はガス攻撃を試みるが,これも逆にパンジャに利用されて火薬をめちゃめちゃにされてしまう。
村人からパンジャにお后ができたと聞いたハムはパンジャの鳴き声をテープに録音する。
そしてその泣き声でメスライオンを捕獲することに成功する。
メスの助けを呼ぶ声に村へ現れるパンジャ。
そこを狙い撃ちされて命を落とす。
そして毛皮は酋長に,酋長の額につけていた宝石をハムは手に入れる。
数日後,ザンジバル港でハムとクッターは別れクッターはメスライオンとともにロンドンへ向かう。
彼女は船の中で一匹の男の子を出産する。
そして彼をジャングルへ帰すために船から抜け出させる。
その夜,大嵐の中で船は沈んでしまう。
クッターはいかだに乗って子獅子と出会うが食欲が抑えられなくなり,小型いかだを作って彼と別れる。
<1951年01月号>
コバンザメに泳ぎを教えてもらい,かもめに飛び方?を教えてもらった子獅子。
海を漂流しているところをとある船に拾い上げてもらい,船員(ラムネ,カルピス)の計らいで乗船できることになる。
船底でねずみを捕まえるように言われるが,そこのネズミたちはパンジャのことを知っていていろいろ教えてくれるのだった。
そしてその船にはパンジャを撃ち殺したハムが乗っており,宝石商に酋長の石を見せていた。
残念ながらそれはダイヤではなく,値打ちもなさそうだと査定されてしまう。
子獅子を歓待するために船のご馳走を集めてきたネズミたち。
それを見つかり船から追い出されてしまう。
砂浜へたどり着いた子獅子。
メリイたちは彼を使って蛮人ごっこをはじめるが町へ逃げ出されてしまう。
ライオンが逃げたと大騒ぎが始まる。
追いかけられた彼はケン一の部屋へ逃げ込む。
優しい彼は敷き革の代わりになっているように言ってかくまう。
そこへ帰ってきたおじのヒゲオヤジ。
実は小さいライオンだったことがわかり,警察に連絡を入れる。
ハムもこの町へ来ており,娘のメリイと再会する。
宝石のことで意気消沈していたハムはプラス博士(レッド公),マイナス博士(ノタアリン)と名乗る二人の紳士からその宝石は「月光石」だと聞かされる。
<1951年正月号>
月光石は大陸移動説を裏付ける証拠のひとつになるのだと説く博士たち。
説得されたハムは再びアフリカの奥地へ行くことを決意する。
そこにメリイやケン一たちも同行することになった。
都会しか知らないレオはアフリカのジャングルを見て幻滅する。
探検をしている中,ランプと名乗る男がついてくる。
あの村へついたハムは酋長から月光石は偶然手に入れたと聞かされる。
そしてレオは自分の父親の毛皮を見つけて持ち出してしまう。
白人に毛皮を盗まれたと勘違いした酋長たちはケン一・メリイのテントを襲う。
一方ドンガ川のほとりでランプにけしかけられたハムは探検費用を盗んで博士たちの前から消える。
<1951年2月号>
ジャングルの中をさまようケン一とメリイはライオンやヒョウに襲われるがパンジャの毛皮をかぶったレオに助けられる。
洞窟の中に水晶でできた広間を見つけた彼らはそこで生活の準備をする。
動物を捕まえようと仕掛けた罠に鹿が引っかかる。
鹿は要らないとケン一は放すが,また付いてきてしまう。
この鹿は片目のブブにジャングルを支配されてしまった現実をレオに話そうとしてやってきていたのだった。
ジャングルへ帰ることを拒否するレオ。
動物たちはパンジャの毛皮をかぶってレオの説得に当たるが,偽者とばれてしまう。
事情を知ったレオはブブと話し合うことを決意する。
<1951年3月号>
ハムに裏切られた両博士はアラビアのアデン港で会見を開いた。
同行していたはずのケン一を案じるヒゲオヤジ。
博士たちから事情を聞くとどうやらレオが毛皮を盗んで村から追い出されたという。
理由を探すヒゲオヤジはケン一の友人のアルベルトからエジプト第六王朝ペピー一世の事を聞く。
その昔,白いライオンを守り神としたペピー一世は栄えるが小人族にライオンを奪われると国は滅んでしまったらしい。
レオはそのライオンの血を引いている可能性があるという。
一方ジャングルにいるレオは片目のブブと出会い,戦いを挑まれるが完全な野生には戻れずまたそれを悩む。
<1951年4月号>
動物たちを説くレオ。
彼らは道を作り,畑を作り,食べ物を貯蔵する。
そんな時,現地民が襲撃を起こし,何とか撃退をするがメリイが連れ去られてしまう。
<1951年5月号>
寂しさを隠せないケン一のためにジャングルの動物たちの鳴き声で交響楽を奏でるレオ。
村にいてそれを聞きつけたハムとランプはここぞとばかりに動物たちを撃ち倒していく。
そんな中ケン一と再会したハムはメリイが連れ去られたことを知る。
毛皮を盗んだレオのことを知ったハムはその毛皮の主を撃ち殺したのは自分だと話し,レオから襲われそうになる。
レオは踏みとどまるが逃げたハムはブブに襲われ命を落とす。
最後にメリイのことをケン一に託す。
<1951年6月号>
あれから三年。
レオたちは動物のための食堂を作っていた。
そこに現れたハゲタカがロンドンタイムスを持ってくる。
ケン一に渡すレオ。
世の中は月光石の話題で持ちきりで,プラス博士とマイナス博士はA国,B国に別れて探検を計画していた。
そんな折,ジャングルに川上のジャングラ族が襲ってくる。
そこの女王は昔連れ去られたメリイだった。
ケン一の機転で彼らは引き下がるが,今度はレオの恋人ライヤがブブに襲われる。
ブブと決闘して勝利を収めるレオ。
<1951年7月号>
メリイはおとりのライオンを放ってレオを誘い出そうとする。
一方レオはケン一を慰めるために人間のことばをほかの動物たちと練習して習得していく。
喜ぶケン一。
そこへレオのおばを名乗るあのライオンが来てレオを誘い出していく。
<1951年8月号>
ジャングラ族に捕まってしまうレオ。
しかし夢の中で父・パンジャに励まされたレオは脱出を行い,その先で大きなマンモスに出会う。
するとジャングラ族たちは「夢の山」を見て恐れおののき,やがてジャングルに雪が降り出す。
<1951年9月号>
吹雪の中,月光石が飛んでくるのを見つけるレオ。
そしてあのマンモスの鼻の中で守られながら川下まで来ると雪は雨に変わっていた。
ジャングルの中のテントにはB国を背負ったマイナス博士とコッホ,ラムネとカルピスが床上浸水と格闘していた。
そこへやってきたしゃべるライオン・レオ。
落としていった月光石を見て追跡する博士たち。
しかし体調を崩したコッホのために断念し,ケン一たちが住む洞窟の中に身を寄せる。
レオはココと再会するが,ライヤはブブに連れ去られたことを知り追う。
洞窟にはA国を背負ったプラス博士やロンメル,ほかの隊員たちがやってきてマイナスたちを捕虜とする。
洞窟に戻ってきたケン一はマイナスらを働かせているA国の探検隊と乱闘を始めてしまう。
<1951年10月号>
レオはジャングルを走り抜けてブブに連れられているライヤを見つける。
ブブと決闘をして勝利を収めるレオ。
ブブは残っていた片目をつぶしどこかへと去る。
レオも精根尽き果ててしまっていた。
そんなレオとライヤの前にアリの大群が迫る。
一方ケン一はA国の探検隊の中に幼馴染のピエールを発見,またコッホはアルベルトだった。
再会を喜ぶ三人だったが,ケン一が月光石の秘密を知っていると話すと二人ともそれを独り占めしようと動き出す。
病魔に犯されていたアルベルトは倒れ,ケン一はロンメルによってヘリコプターで拉致されそうになる。
そこへ現れたのはあのマンモスだった。
<1951年11月号>
アリから守るためレオを土の中に埋めて立ち去るライヤ。
目を覚ましたレオはライヤがいないことに愕然とし,ピグミー族の村にさまよい入る。
そこには守り神として白いライオンのリョーナが君臨していた。
彼女は次代を担うものとしてレオを神に祭り上げようとする。
一方アフリカの小さな町ではランプがハムから奪っていた月光石を見て,一儲けを考えていた。
その隣に住まう男・ピエール。
彼はランプの持つ月光石を奪おうと考えて屈強な男たちにランプを抑えさせてランプの部屋へ向かう。
またヒゲオヤジは警視庁の命令でランプの行方を追ってこの町に来ていた。
ふしぎな占い師に言われるがままに歩くとそこにいたのはランプ。
<1951年12月号>
ランプを捕まえたヒゲオヤジはケン一がジャングルの中で生きていることを聞きだす。
早速やってきたのもつかの間,ピグミー族に捕まってしまう。
生贄になるところだったがそこへやってきたのはなんとしゃべるライオン。
黙って言うことを聞いて連れて行かれた先で明かされたライオンの正体はレオ。
そこへリョーナもやってきてヒゲオヤジを助けるために白い毛皮を着て出て行かせる。
再びジャングルへ戻ることをあきらめかけていたレオの前にライヤが現れる。
<1952年1月号>
ココとトミーはパンジャの毛皮をかぶってレオを探しに出る。
そこで出会ったのは同じく白い毛皮をかぶったヒゲオヤジ。
お互いにけん制して別々の方向へと去っていく。
トミーたちはピグミー族に捕まってしまう。
占い師の話などを聞いたレオはパンジャはもともとこの村の守り神であったのが逃げ出したことを知る。
そしてリョーナは自分の本当の姉であった。
レオはライヤ,ココ,トミーを伴ってジャングルへ帰っていく。
一方ヒゲオヤジはメリイ率いる部族につかまる。
またA国探検隊(十銭ハゲ含む)はピグミーの村へやってくる。
<1952年2月号>
レオとライヤがジャングルに帰ってきた。
新しい定めを決めたり,催し物でお祭りをやったり,舞台劇をやったりして盛り上がる動物たち。
そしてケン一との再会。
それもつかの間,コンガからヒゲオヤジを返してほしければ土地を明け渡すように通知が来る。
<1952年3月号>
コンガに拉致されたヒゲオヤジは彼女・メリイがどうやって酋長・コンガになったのかを聞く。
そしてジャングル中を従えるという野望のためにヒゲオヤジはおとりになるのだった。
つかまったヒゲオヤジだったが見張りのヒョウをあしらってコンガの部屋の下で笛を吹いていると矢が飛んでくる。
しかしその矢は汗か涙か,ひどく濡れているのだった。
<1952年4月号>
何とかコンガを改心させようとするヒゲオヤジ。
しかし裏目に出て自分自身がひどい目にあってしまう。
一方ケン一はヒゲオヤジを探しにくる途中でワニに襲われるが何とかあしらい,ふらふらしているヒゲオヤジと再会を果たす。
<1952年5月号>
ケン一とヒゲオヤジは再び囚われの身となる。
コンガは飼いならした動物たちを従えて川下へ攻め上っていく。
ゴリラたちも味方につけたコンガがジャングルを襲う。
<1952年6月号>
ジャングルを襲うコンガたち。
火事も起こしたジャングルは彼女たちに制圧されてしまい,レオたちは川向こうへ身を寄せる。
雨に見舞われるジャングル。
そんな時,ジャングラ族の村にはまたあの夢の山が現れ雪が降り出す。
ヒゲオヤジとケン一は女たちに服を作らせみなに着せて寒さから身を守らせる。
そしてあのマンモスが現れ,ジャングラ族は「おふくろさん」と呼び恐れる。
<1952年7月号>
コンガたちが村に戻るとヒゲオヤジたちの恩を受けたものたちはもはや彼女の部下ではなかった。
ケン一との一騎打ちにも敗れ泣き崩れるコンガ・メリイ。
そんな彼女を慰めるケン一。
一方ジャングルではおふくろさんがレオに山のほうには決して来てはいけない,人間たちにもそう伝えるように話して去っていく。
そして夢の山とともにおふくろさんも帰っていく。
<1952年8月号>
ライヤは出産のときを迎えていた。
レオはココの助言に従って子供たちを「ルネ」と「ルッキオ」と名づける。
その頃,ヒゲオヤジとケン一,そしてメリイはアフリカを後にしようとしていた。
そしてあるとき一匹の鹿が罠にかかる。
その鹿はなんと英語をしゃべり,レオがアフリカ連邦を築いたと語るのを聞きA国のロンメルは声を上げて笑い出す。
<1952年9月号>
ルネとルッキオは始めてレオと対面する。
ココはレオが動物の自由を守ろうとしていることを話す。
そしてレオは昔鳥に教わった飛び方を試して谷底に落ちてしまう。
助かるのだがルネが落ちたのだと勘違いしたライヤは大急ぎで駆けつけるがレオでホッとする。
ヒゲオヤジたちは船の上から名残惜しそうに陸地を眺める。
ヒゲオヤジはアダムたちが月光石の話をしているのを耳にする。
<1952年10月号>
とある紳士が海に落とした月光石を追って飛び込むケン一。
海から拾い上げてくるが持ち主の紳士は背中に短剣を刺されて死んでしまう。
なぞを追うヒゲオヤジ。
ケン一とメリイはアダムの手下たち(花輪高志,力有武ら)によって船室へ閉じ込められてしまう。
ヒゲオヤジは奮戦するもつかまってしまい,頭やひげをそられ旅券も取り上げられてしまう。
そして気がついたときには偽のヒゲオヤジが取って代わり,捕まってしまう。
その頃アフリカではルネたちが学ぶ学校の邪魔をしにパグーラの息子のビゾーが暴れていた。
ルネは完全と立ち向かい,パグーラさえも追い返してしまう。
ライヤに人間と話して分かり合い,すべての動物を自由にしたいと話すルネ。
しかし人間社会は恐ろしいことが多いと説くライヤ。
レオはケン一からアフリカを去るという手紙を受け取り悲嘆にくれ,そしてルネも家出をしてしまう。
<1952年11月号>
いろいろ夢見ながらジャングルを後にするルネ。
悲しみにくれるライヤを見てココたちは王城を作ろうと計画する。
協力を依頼されたパグーラはこれを退け,ビゾーはその建設現場でいたずらを働く。
<1952年12月号>
とうとう完成した王城。
地下牢にはビゾーが捕まっていた。
ライヤはこれを放すが逆に捕まって崖から投げられそうになる。
鼻に噛み付き,難を逃れるがビゾーはこれをパグーラに話してしまう。
ライヤはいくらか元気を取り戻すが,ルネのことを忘れることはない。
一方,ヒゲオヤジは船から降ろされ適当な判事によって終身刑を言い渡されてしまう。
しかし判事とチェスをしていたのはアルベルトで,彼はヒゲオヤジの保証人になって釈放される。
事情を聞いたアルベルトは船に無電を打ち,偽ヒゲオヤジとアダムらは秘密を知ったボーイ(ケン一)のピートを連れて船を脱出する。
水を汲みに行ったピートは言葉を話すライオン・ルネに出会う。
<1953年1月号>
言葉をしゃべるルネを使った儲けを考えたアダムはまずルネを使って救助船を引き寄せる。
それはかつてレオが産声を上げた船だった。
船長(豚藻負児)はまんまとアダムにだまされ船に乗せる。
そこでルネはアダムの用意したサーカスの契約書に足型をつけてしまう。
母が恋しくなったルネは船から逃げ出そうとするがアダムは首輪をつけて拘束する。
アダムはダンディ男爵を名乗り,大都会でのサーカスを予定する。
しゃべるライオンはすでに大きな話題となる。
<1953年2月号>
ルネはサーカスで動物を自由にするどころか芸を仕込む係をやらされる。
そしてサーカスでライオンたちに楽な芸をさせるとアダムによって厳しく折檻される。
そんなある日,サーカスにランプが現れアダムに月光石とルネを引き渡せと迫る。
月光石は渡すが,ルネは1週間待ってほしいと話すアダム。
<1953年3月号>
ルネのことが忘れられないライヤ。
慰めようとするココとかばのバッカス。
バッカスのくしゃみで2階から落ちてしまうライヤとココ。
そんな時パグーラが人間のまねをするレオに決闘を申し込んでくる。
戦いあう二人。
しかしライヤが熱にうなされており,レオが駆けつけたときルネのことを口にして息を引き取る。
悲しみにくれるレオと動物たち。
ライヤは体中に斑点のできる伝染病に冒されていた。
やがてそれはほかの動物にも感染し,パグーラの息子のビゾー,そしてルッキオもかかってしまう。
<1953年4月号>
ヒゲオヤジはまだひげが生えそろっていないが,マイナス博士率いるB国の探検隊(ラムネ,カルピスら)とともにいた。
毛生え薬を求めてドンガ族の村に行くとそこはかつてパンジャの毛皮をレオが持ち出した村だった。
マイナス博士の名前を出すと酋長はそのことを思い出し,ヒゲオヤジらを捕らえてしまう。
白い獅子の毛皮を求める酋長にヒゲオヤジはピグミー族の村のことを話し,ともにそこへいくことになる。
だが,探検隊の中の一匹の象があの伝染病にかかって命を落としてしまう。
<1953年5月号>
アルベルトは死んだ象から血清をつくりほかの象に注射することで蔓延を防ぐ。
ピグミー族の村にたどり着いたヒゲオヤジたちは酋長と別れ別の道を急ぐ。
そこには古代インカ帝国のような宮殿が鎮座していたが,周りはあの紫斑病で死んだ動物たちが多くいた。
ヒゲオヤジが宮殿の中で声を出してみると見事な英語が返ってくるが,話すのは鹿だった。
<1953年6月号>
言葉を話す動物たち。
仰天する探検隊だった。
レオはアルベルトに自分たちは対等であると話す。
ルッキオの容態を見たアルベルトは急いで血清を注射する。
するとルッキオはみるみる回復していく。
このことを知った動物たちは次々に列を成し,血清を注射してもらう。
問題は敵対するパグーラ率いる象たちだった。
ほっとくと伝染病はまた流行を始めてしまう。
探検隊たちは決死隊を作ってビゾーに血清を注射する。
その後直ったビゾーをつれてパグーラが宮殿に現れる。
<1953年7月号>
その頃,サーカスではランプがルネを引き取りにアダムの下に来ていた。
アダムはルネを渡す振りをして逆にランプをやっつける。
そしてアダムが落とした鍵を使ってピートはルネの首輪をはずす。
ルネが逃げ出して大騒ぎをするサーカス。
ピートはルネにメイクを施し,人間の女の子のようにして逃がそうとする。
それから道化師たちが集められ,とうとうピートは自分が逃がしたと白状してしまう。
アダムは契約書を盾に必ずルネを捕まえてみせると意気込む。
<1953年8,9月合併号>
いそいでタクシーに乗るルネ。
しかしどこへ行ったらいいかわからない。
運転手に諭されるルネは車を降りる。
なんと人間の世界は醜く暮らしにくいところか,アフリカへ帰りたくなったルネはあるルンペンに出会う。
彼はかつてランプと組んでいたクッターだった。
クッターは彼がライオンとは知らず,どこかの令嬢と勘違いしてその財布の中身を見てレストランへ連れて行く。
ご馳走を前にするがそこでアダムのサーカスが火事に見舞われてると言う話を聞く。
獣達も逃げ出していると聞いたルネはいそいで駆けつけようとする。
<1953年10月号>
火事の中乱闘をするランプとアダム。
しかしそれもむなしく,二人とも逃げようとする象の下敷きになって命を落とす。
駆けつけたルネは動物たちを指揮してサーカスの火事の鎮火に勤める。
功績を認められたピートは両親の元へ,ルネもサーカスの動物たちとともにアフリカに帰りたい旨を話す。
2,3日後アフリカへ向かう船の上にルネはいた。
それを見送るピートとクッター。
船上でルネは飛魚から自分の母親が病気で死んでしまったことを聞き,嘆き悲しむ。
<1953年11月号>
マイナス博士はヒゲオヤジ,レオ,探検隊を連れて月光石を得るためにムーン山へ向かうことを決めるがアルベルトは王宮に残る決意を固める。
レオは後のことをルッキオに託して一行に加わる。
死斑病を治してくれたA国にはどんな協力もすると約束していたのだ。
旅の途中で焚き火の跡を見つける。
これはB国が先んじていることを意味していた。
カルピスの夢の中の借金取りでガニーマル出演。
<1953年12月号>
大峡谷を抜けた一行は巨大な恐竜に出会う。
B国探検隊はそれに襲われていた。
レオの知恵で恐竜を倒すが弾薬の尽きたB国の嘆願にもかかわらずマイナス博士は貸与を断る。
プラス教授との友情は確かなものであったが国の威信を曲げるわけには行かなかった。
<1954年1月号>
巨大な恐竜がB国探検隊のほうへ向かうのを見たマイナス博士は居ても立ってもいられず全員で救出に向かう。
A国は妥協案を提示するもロンメルは受け入れない。
マイナス博士は負けじと連中が条件を飲むまで同じところで待ち続けると宣言する。
それから数日たち,12月24日の夜。
A国はクリスマスパーティを催し,B国人も招待する。
それぞれお国自慢をする中でロンメルはB国国家を歌いだす。
A国も負けじと国家を歌い競い合う。
そんな彼らを見たレオは「きよしこの夜」を厳かに歌い,それにつられてか「おふくろさん」が下山してくるのだった。
<1954年2月号>
案内の村人たちが逃げ出した。
彼らを追うために発砲してしまった探検隊に怪獣たちが襲う。
それを抑えたのは下山してきたおふくろさんと軍隊並みの指揮をするロンメルだった。
しかしロンメルは毒蛇にかまれて命を落とす。
ムーン山までの道案内をおふくろさんにさせることを納得させたレオたちはそのふもとまでたどり着く。
<1954年3月号>
その頂上までの道をおふくろさんに聞くプラス,マイナス博士とレオ。
マンモスは到底通れない道を行かなくてはいけないと言う。
おふくろさんと別れた一行は雪崩に見舞われるも道を進む。
その途上,レオが雪の反射にやられて視力を失ってしまう。
しかし一行はとうとうムーン山の頂上にたどり着く。
そこには月光石がごろごろしていた。
<1954年4月号>
プラス博士は月光石の持つ力が大陸の誕生を促したのではないか,と言う仮説を立てる。
猛吹雪の中,ラムネ/カルピスは命を落としピエールは違う道を進んでしまう。
そしてプラス教授はひどい凍傷にかかっており,マイナス博士はしばらく下山を待つことにするが責任を感じたプラス教授は研究成果のノートを残して吹雪の中を出て行ってしまう。
残ったのはヒゲオヤジとマイナス博士,そしてレオだった。
ついにマイナス博士も精根尽き,眠りについてしまう。
このままでは二人とも倒れると悟ったレオはヒゲオヤジに自分の肉と毛皮を持って下山するように促す。
とてもそんなことはできないというヒゲオヤジにわざと襲い掛かり自分を殺させる。
何とか下山し,ドンガ川の流れている途中でヒゲオヤジはこれまた流れてきたルネと出会う。
それから三年後の東京,ケン一とメリイの間には子供ができていた。
アフリカに住むアルベルトからの手紙ではルネもお后を迎え,ルッキオは別のところに嫁いでいったという。
物語はいつまでも続いていく。
<参考文献:ヒョウタンツギタイムス>
『映像化』
ジャングル大帝
(1965年:虫プロ製作・テレビアニメーション)
ジャングル大帝 進めレオ!
(1966年:虫プロ製作・テレビアニメーション)
ジャングル大帝
(1966年:虫プロ製作・劇場用アニメ)
ジャングル大帝
(1989年:手塚プロ製作・テレビアニメーション)
ジャングル大帝
(1997年:手塚プロ製作・劇場用アニメ)
『一口メモ』
いわずと知れた初期の代表作であり、大傑作。
パンジャからレオそしてルネへと、生けとし生けるものはそのドラマが子孫へと伝えられていく。
『図版使用書籍』
現代漫画6 手塚治虫集(1970年)
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
アサヒグラフ4月29日号(1977年)
絶体絶命12月号(1977年)
増刊リリカ"ユニコ特集号"(1978年)
現代まんがシアター1 手塚治虫(1979年)
手塚治虫 マンガの魅力(1979年)
手塚治虫まんが大研究(1982年)
ユリイカ 2月号(1983年)
Manga! Manga!(1983年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
アサヒグラフ2月24日号(1989年)
手塚治虫の世界(1989年)
週刊読売2月26日号(1989年)
コミックトム4月号(1989年)
コミックボックス5月号(1989年)
手塚治虫展図録(1990年)
手塚治虫氏に関する八つの誤解(1990年)
手塚治虫とっておきの話(1990年)
わたしの手塚治虫体験(一)(1990年)
MOE 11月号(1990年)
月刊NHKセミナー 2月号(1991年)
Siesta 9/10月号(1991年)
手塚治虫 漫画の奥義(1992年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫論(1992年)
手塚治虫はどこにいる(1992年)
手塚治虫と路地裏のマンガたち(1993年)
過去と未来のイメージ展図録(1995年)
こころにアトム(1995年)
手塚治虫 ロマン大宇宙(上)(1995年)
月刊カドカワ8月号(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
もっと知りたい手塚治虫(1997年)
ぼくのマンガ人生(1997年)
手塚治虫博物館(1998年)
手塚治虫全史(1998年)
蘇る! 9月号(1998年):サンデーコミックス1巻表紙
Comnavi Vol.10(1998年)
てんとう虫1月号(1999年)
文藝別冊 手塚治虫(1999年)
人間ども集まれ!【完全版】(1999年)
手塚治虫の奇妙な資料(2002年)
漫画少年物語(2002年)
東京ウォーカー4月8日号(2003年)
ROCKIN'ON JAPAN4月19日増刊号 SIGHT(2003年)
MOE 5月号(2003年)
手塚治虫講演集「未来への遺言」(2003年)
週刊100人(2003年)
手塚治虫マガジン'04年9月号(2004年)
手塚治虫のディズニー漫画(2005年)
私のこだわり人物伝(2005年)
原画の秘密(2006年)
僕らの愛した手塚治虫(2006年)
手塚治虫の「新宝島」(2007年)
横山隆一・手塚治虫二人展図録(2007年)
ダ・ヴィンチ2008年7月号(2008年)
手塚治虫(2008年)
芸術新潮2008年11月号(2008年)
フィギュア王No.129(2008年)
クラシック音楽館(2008年)
手塚治虫〜知られざる天才の苦悩(2009年)
手塚治虫展図録(2009年)
僕らの愛した手塚治虫<激動編>(2012年)
「地上最大の手塚治虫」展(2012年)
手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから(2013年)
手塚治虫とキャラクターの世界(2013年)
コモ・レ・バ vol.15 Spring2013(2013年)
僕らが愛した手塚治虫<復活編>(2016年)
MOE 3月号(2016年)
手塚治虫ぴあ(2016年)
手塚治虫の世界(2017年)
扉絵原画コレクション1950-1970(2017年)
手塚治虫の美男美女画集(2017年)
手塚治虫展図録(2017年)
わたしたちの手塚治虫(2018年)
pen 3月1日号(2018年)
てんとう虫10月号(2018年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
pen+ 手塚治虫の仕事。(2020年)
サライ 2020年5月号(2020年)
手塚治虫は「ジャングル大帝」にどんな思いを込めたのか(2021年)
昭和50年男「藤子不二雄Aがオレたちに残したもの」(2022年)
手塚治虫語辞典(2023年)
手塚治虫キャラクター名鑑(2024年)